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209-18 オ ピ ニ オ ン  共産主義

 

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■文化革命型の「白い共産主義」の脅威

20018.11.17

 

<目次>

はじめに

1.共産主義とは

2.恐るべき破壊の思想

3.「白い共産主義」の系譜

4.日本を蝕む共産主義

5.外からの脅威が迫っている

結びに〜日本精神を取り戻そう

 

 

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はじめに

 

 平成30年(2018年)11月11日、私は東京・渋谷で行った講演で、文化革命型の「白い共産主義」の脅威に関して述べた。その概要を掲載する。

 

1.共産主義とは

 

平成3年(1991年)にソ連が崩壊した。その後、共産主義は世界的に退潮になっている。しかし、共産主義は死んではいない。

 

マルクス      エンゲルス

 

共産主義の元祖は、マルクス、エンゲルスである。共産主義は、私有財産制を廃止し、生産手段を社会の共有にして、貧富の格差を解消することを目標とする。それによって階級支配がなく、自由な個人の結合による社会を目指すものである。そのために、共産主義者は、階級闘争を通して、革命を起こそうとする。(註1

革命は、1917年にロシアで初めて成功した。以後、多くの国が共産化され、一時は世界人口の3分の1が共産主義の勢力下に置かれた。

ところが、ソ連は、革命の理想とは程遠く、共産党官僚が労働者・農民を支配する官僚支配の国家だった。自由と権利は抑圧され、生産性が低く、生活水準は上がらなかった。

ついにソ連は革命の70年後に共産主義体制を放棄するにいたった。相前後して東欧諸国も共産主義を捨て、共産主義は世界的に大きく後退した。

だが、東アジアでは現在も中国が共産党の支配下にある。そして、我が国では、今なお先進国で唯一、共産党を名乗る政党が存在し、堂々と政治活動を行っている。

共産主義には、二つの種類がある。一つは、ロシア革命のように、武力によって革命を起こし、政権を奪取するものである。もう一つは、伝統的な文化を破壊し、人々の意識を変えることで、社会を共産化していくものである。前者は武力革命型、後者は文化革命型である。前者を「赤い共産主義」、後者を「白い共産主義」とも呼ぶ。

ソ連の解体後、先進国では、武力による革命を目指す「赤い共産主義」は、大きく後退している。しかし、その一方、伝統文化の破壊による文化革命を目指す「白い共産主義」が、教育・マスコミ等に深く浸透し、知らずしらずに日本の家庭や社会が蝕まれている。ページの頭へ

 

2.恐るべき破壊の思想

 

マルクス、エンゲルスは、社会の諸悪の根源を私有制と階級支配に見ていた。彼らは、その見方で家族をとらえた。彼らは、近代の家族は、ブルジョワ的私有に基礎づけられており、私有制を廃止すれば、家族は消滅する。女性の解放は、私有制の廃止によって、初めて実現すると考えた。そして、結婚という制度を廃止し、家族を解体することを図った。

マルクス、エンゲルスは、家族を解体するための方法として、男性が婦人を共有することを打ち出した。彼らは『共産党宣言』で、次のように宣言した。「共産主義者は、公認の、公然たる婦人の共有を取り入れようとする」「共産主義者は自由、正義などの永遠の真理を廃棄する。道徳を廃棄する」と。

これは、従来の性道徳や家庭道徳を真っ向から否定するものである。目指すのは、性の自由化がされたフリーセックスの社会である。家族が解体されると、すべての人間は、夫婦・親子の関係すらない個人としてバラバラに分解される。そうした個人を改めて集合した社会が、マルクス、エンゲルスの考えた共産主義社会なのである。

 

レーニン

 

レーニンは、ソ連でマルクス=エンゲルスの家族廃止論を実践し、発展させた。家族を解体するために、1927年に登録された結婚と未登録の結婚を同等とし、重婚さえも合法とした。また女性を家庭から出して労働者とし、育児の社会化を進めた。その結果、どうなったか。家庭が乱れ、少年犯罪や非行、離婚が激増し、社会に混乱が広がったのである。

 

スターリン

 

そこで、スターリンは、政策を根本的に見直し、逆に家族を「社会の柱」とする方針に切り替えた。憲法に家族尊重と母性保護を規定し、未登録結婚の制度を廃止して、嫡出子と庶子との差別を復活させ、子供の保育・教育における親の責任を重くした。レーニンの政策は、大失敗に終わったのである。ところが、この失敗を認めず、今も家族解体を進めようとしているのが、文化革命型の「白い共産主義」である。ページの頭へ

 

3.「白い共産主義」の系譜

 

ロシア革命後、ドイツ・ハンガリー等で革命運動は、すべて鎮圧された。労働者の大半は立ち上がらなかったのである。ヨーロッパの共産主義者は、労働者が蜂起しなかったのは、キリスト教の考え方が染み付き、真の「階級利益」に気づいていないからだ、と考えた。そして、キリスト教とそれに基づく文化を破壊しない限り、共産主義は浸透しないと考えた。

 

ルカーチ

 

キリスト教は、一夫一妻制である。ハンガリーのルカーチは、これを破壊するため、過激な性教育制度を実施した。ハンガリーの子供たちは学校で、自由恋愛思想、セックスの仕方を教わり、一夫一妻制は古臭く、宗教の理念は浅はかだと教えられた。女性も性道徳に反抗するよう呼びかけられた。

1960年代の後半、ルカーチの思想は、アメリカで若者たちに熱烈に受け容れられた。アメリカで小学校から性教育を行うようになったのは、ルカーチの影響である。

 

グラムシ

 

イタリアのグラムシは、西洋の共産化には、まずキリスト教を除くことが必要だと考えた。まず文化を変えよ、そうすれば熟した果実のごとく権力は自然と手中に落ちてくる、と主張した。芸術、映画、演劇、教育、新聞、雑誌、ラジオ等を、一つ一つ攻め落とし革命に組み込んでゆくことが肝要だ。そうすれば人々は徐々に革命を理解し、歓迎しさえするようになる、と説いた。こうしたグラムシの思想は、西欧諸国のユーロコミュニズムや、アメリカのカウンターカルチャー運動に影響を与えた。

ドイツのフランクフルト学派は、キリスト教、家族、道徳、愛国心等を徹底的に批判した。ユダヤ人が多く、米国亡命後、戦略情報局(OSS)で大衆操作の研究に参加した。彼らの最左派だったのが、マルクーゼである。「来るべき文化革命でプロレタリアートの役を演じるのは誰か」――マルクーゼが候補に挙げたのは、若者の過激派、黒人運動家、フェミニスト、同性愛者、社会的孤立者、第三世界の革命家などだった。労働者階級に代わって西洋文化を破壊するのは彼らだというのである。

マルクーゼの思想にはまったアメリカの学生たちは、ベトナム戦争の反戦運動を行いながら、キリスト教の価値観や道徳に反抗し、セックスとドラッグに興じた。この「性革命」「ドラッグ革命」に続いて、黒人の公民権運動が高揚した。黒人が公民権を求めるのを見て、白人の女性たちも権利の拡大を要求し、ウーマン・リブの女性解放運動が起こった。

この動向は、アメリカから西欧・日本に伝播した。マルクーゼの影響を象徴的に表わすことがある。昭和43年(1968年)、フランスのパリで5月革命が起った。この時に活動した学生・知識労働者の運動は、三M革命といわれる。

 

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マルクス    毛沢東    マルクーゼ

 

三Mとは、「マルクス・マオ(毛沢東)・マルクーゼ」である。マルクス、毛沢東と並ぶほど、マルクーゼが強い影響を与えていたのである。

こうした文化革命型の「白い共産主義」が、1960年代後半以降、ヨーロッパ・アメリカからわが国に入って日本人を深く蝕んでいる。(註2

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4.日本を蝕む共産主義

 

戦前の日本では、共産主義は危険思想と見なされていた。日本の共産党は、ソ連共産党の日本支部として作られ、皇室の廃止、国家の転覆を目指していた。それゆえ、共産主義者の活動は厳しく監視され、取り締まられた。

共産党が自由に活動できるようになったのは、我が国が大東亜戦争に敗れた後である。日本の占領政策を準備したOSSの影響のもと、GHQは獄中から共産党員を解放し、公然と活動できるようにした。日本国民の団結を弱めるため、思想的な分裂を画策したのである。(註3

GHQにはニューディーラーと呼ばれる左翼思想を抱いた者が多数いた。彼らは日本を弱体化するための占領政策を立案・実行した。その中にはOSSの出身者がいた。マッカーサーの指示英文憲法が起草され、その憲法がわが国に押し付けられた。現行憲法には、日本の国柄や伝統が書かれておらず、天皇の役割が縮小された。国民の権利の保障が厚い一方、義務は少なく、個人主義・利己主義に陥りやすい内容となっている。また、GHQは民法を変え、伝統的な家族制度を壊すために、イエ制度を廃止した。

こうしたなかで、共産主義者は日本の各所で共産思想の浸透を図った。学界やマスメディアに浸透し、さらに教育界に入り込んで、日教組が左翼教育を行うようになった。

戦後日本の左翼は、レーニン流の暴力革命戦術を取らずともよい。当面、現行憲法の下で、「民主」「平等」「人権」「平和」などの教育・普及をやっていけば、日本の共産化を実現できると考えた。そのために、学校やマスメディア等が利用されている。こうした動きにさらに加わったのが、文化革命型の「白い共産主義」である。(註4

共産主義者は、西洋でキリスト教道徳を破壊するように、わが国では我が国の伝統的な道徳を破壊する。日本人は、皇室を敬い、家族を大切にし、先祖に感謝し、子孫の繁栄を願い、ともに助け合う生き方をしてきた。そういう生き方そのものを、共産主義者は排除する。言い換えれば、日本人から日本人らしい精神をなくそうとしている。(註5

皇室を敬う心を損なう。個人中心の考え方を広める。親子、夫婦がバラバラになるようにする。先祖への感謝や尊敬の念を持たないようにする。資本家と労働者が対立・闘争するようにする。日本人が民族や国家という意識を持たないようにする。国旗を掲げたり、国歌を歌うことに反対する。―――こうした伝統的な道徳を破壊する動きを一層、強力なものにしているのが、ジェンダーフリー、過激な性教育、夫婦別姓の導入、戸籍制度の改悪等である。

ジェンダーとは、生まれつきの男女の性別ではなく、社会的・文化的に作られた性差を意味する言葉である。そうした性差をなくそうとするのが、ジェンダーフリーである。簡単に言えば、男は男らしく、女は女らしくという考え方をなくそうという運動である。(註6

今学校では、過激な性教育が行われている。日教組は、小学生の子供に性の知識を教える教育に力を入れている。(註7

夫婦別姓を導入しようとする動きが続いている。結婚しても、夫婦が別々の姓を名乗ることができるようにし、個人主義を徹底するものである。

戸籍制度が改悪され、戸籍に書く子供の続き柄の欄に「子」とのみ記されるようになった。この動きは、嫡出子と非嫡出子の差をなくし、さらに法律婚と事実婚の差をなくし、最後は結婚という制度の廃止を目指すものである。(註8

 

レズ

  女性の同性愛者

ゲイ

  男性の同性愛者

バイセクシュアル  

  両性愛者

トランスジェンダー

  性同一性障害者

 

最近大きな話題になっているものに、LGBTがある。Lはレズ、女性の同性愛者、Gはゲイ、男性の同性愛者、Bはバイセクシュアル、両性愛者、Tはトランスジェンダー、性同一性障害の一種である。合わせてLGBTといい、こうした性的指向を持つ人々の権利を拡大しようとする動きがある。

これは少数者の人権を擁護する動きと見られるが、それを利用するものとして、共産主義があることに注意しなければならない。

今や人類が人間の自然な姿として大切にしてきた家族のあり方、男女のあり方、人間のあり方を変えていく文化の革命が、静かに進行しているのである。私たちは今日、知らずしらずに共産主義の浸透にさらされている。そのことに気づかねばならない。ページの頭へ

 

5.外からの脅威が迫っている

 

日本はじわじわと共産主義によって中から侵されているが、それだけではない。外からは大きな脅威が迫っている。中国である。経済大国、軍事大国となった中国は、南シナ海、東シナ海で覇権主義的な行動を強めている。

中国は、尖閣諸島を奪取しようとし、さらに沖縄を狙っている。北海道では森林・水資源・農地等が買収され、大きな問題になっている。また、日本全国で中国人の移民が急増し、日本国籍を取る中国人が激増している。日本に住む中国人は、150万人を超えている。このままいくと、日本は中国によって、呑み込まれてしまう恐れがある。政府は入管法を改正して、来年4月から外国人労働者を多く入れようとしているが、その政策を取るならば、流入する外国人の多くは中国人になるだろう。

 

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ここに中国で作られた2050年の東アジアの予想地図がある。朝鮮半島は朝鮮省となっており、日本は西半分が東海省、東半分は日本自治区と書かれている。

もしわが国が中国に支配されたら、言論の自由、表現の自由は制限され、宗教は弾圧を受けるだろう。チベットやウイグルは中国の自治区だが、中国共産党はチベットやウイグルで、伝統文化の破壊、宗教への弾圧、民族の弱小化を進めている。日本も同じような目に合うことになる。(註9

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結びに〜日本精神を取り戻そう

 

「白い共産主義」によって伝統的な文化が破壊されたところに、「赤い共産主義」が武力で襲いかかる。こうした危険から日本を守るには、日本人が日本精神を取り戻すことが必要である。そして、日本人が団結して、日本の再建を進めていかねばならない。

日本を再建するには、国のあり方を立て直さねばならない。そのためには、日本人自身の手で、外国から押し付けられた憲法を改正することが不可欠である。現在、憲法改正の議論では、自衛隊の明記、緊急事態条項の新設等が課題に上がっている。さらに今後、憲法に日本の伝統・文化・国柄を盛り込み、本来日本人が持っていた団結力を回復していかねばならない。それが、21世紀の世界で日本の平和と繁栄を可能にする道である。(10)

大塚寛一先生の著書に『真の日本精神が世界を救う』がある。日本精神を取り戻し、さらに日本精神の真髄を学ぶために、ご一読をお勧めする。(註11

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(1)共産主義全般については、下記のページの拙稿をご参照下さい。

共産主義

(2)共産主義の家族解体・文化破壊理論については、下記をご参照下さい。

拙稿「急進的なフェミニズムはウーマン・リブ的共産主義

項目2〜9、12〜14

(3)OSSについては、下記をご参照下さい。

田中英道著「東京裁判とOSS『日本計画』」

http://hidemichitanaka.net/?page_id=343

(4)戦後日本における共産主義については、下記の拙稿をご参照下さい。

拙稿「急進的なフェミニズムはウーマン・リブ的共産主義

  項目11

(5)日本精神については、下記のページの拙稿をご参照下さい。

 「日本の心」「日本精神

(6)ジェンダーフリーについては、下記をご参照下さい。

拙稿「嘘つきはジェンダーフリーのはじまり〜『ブレンダと呼ばれた少年』を読む

(7)過激な性教育については、下記をご参照下さい。

拙稿「猛威のジェンダーフリーと過激な性教育

(8)夫婦別姓については、下記をご参照下さい。

拙稿「夫婦別姓の導入に反対しよう

(9)中国による脅威については、下記をご参照下さい。

拙稿「尖閣を守り、沖縄を、日本を守れ

(10)憲法改正の課題については、下記をご参照下さい。

拙稿「いまこそ憲法を改正し、日本に平和と繁栄を〜9条と自衛隊

(11)大塚先生の説く真の日本精神については、本サイトの「基調」をご参照下さい。

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