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  憲法・国防

                       

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■安全保障関連法制の整備と課題取り組みを

12015.6.30/22016.5.27

 

<目次>

第1部 安全保障関連法制を整備しよう

1.厳しさを増す国際環境への対処が必要
2.安保法案の画期的な内容
3.安保法制の整備は急務

4.憲法の早期改正を実現しよう

補説

(1)学識経験者の見解

(2)“中国が佐渡島を占拠し首都中枢を攻撃”という日米合同軍事演習が行われた

(3)安保法制つぶしを中国が工作か?

第2部 安保法制の課題取り組みを加速しよう

1.新法制には多くの課題がある

2.安保関連法廃止運動に惑わされるな

3.好機をとらえて憲法の改正を

 

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はじめに

 

 近年日本を取りまく国際環境は、厳しさを増している。その中で急がれるのが、安全保障体制の強化である。
 本稿は、厳しい国際環境を踏まえ、当面できることとしてまず安保法制の整備をし、新法制のもとで課題の取り組みを進め、さらに日本を守るしっかりした体制を築くために憲法の早期改正を実現すべきことを主張するものである。

 第1部は安全保障関連法案が国会で審議されている最中の平成27年(2015)6月30日に掲示した。第2部は同法の成立・施行後、28年5月24日に掲示した。

 

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第1部 安全保障関連法性を整備しよう

2015.6.30

 

1.厳しさを増す国際環境への対処が必要

 

●日本を取り巻く国際環境は厳しさを増している

 

 近年日本を取りまく国際環境は、厳しさを増している。
 昨26年3月ロシアはクリミアを併合し、既成事実化した。独仏が加わってウクライナと停戦に合意するも、予断を許さない不安定な状態である。ロシアと欧米の対立は長期化している。対独戦勝70年記念式典に、日米欧は参加せず、参加したのは20カ国のみだった。中国は主賓扱いで、中露の接近が進んでいる。
 その中国は、軍備増強・近代化を背景に東・南シナ海で一方的な海洋進出を図っている。国防費は毎年10%超も伸び、10年後には日本の7倍近くになる恐れがある。
また、北朝鮮は、核兵器とミサイルの高性能化を進め、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験の成功も公表した。幹部の処刑が相次いでおり、政権基盤が一層不安定になっていると思われる。
 中東では、イスラーム教スンナ派過激組織「イスラーム国(ISIL)」が、本年(27年)1月日本人2名を拘束して殺害したうえ、日本国民へのテロ宣言を出した。米国が主導して有志連合国が空爆を行っているが、その効果は薄く、ISILはイラクの首都バグダッドまであと100キロというところまで勢力を拡大している。
 他にもいろいろと日本を取り巻く安全保障環境は悪化している。最大の脅威は、中国である。中国は、政治・外交・経済・軍事等を総動員して、覇権の拡大を進めている。最近話題になっているのが、アジア・インフラ投資銀行(AIIB)だが、これは金融による世界的な覇権確立を目指すものである。日米の不参加で資金調達は困難だろうが、英国をはじめ独仏等が参加し、中国は存在感を高めている。より大きな脅威は、軍事力による覇権の追求である。
 南シナ海で、中国はフィリピン、ベトナム近辺の南沙諸島で、5つの岩礁の埋め立てを進めている。埋め立てられた面積が、この4か月で4倍に拡張され、8万平方キロになった。4つの人工島では、埋め立て作業から基盤施設の整備に移っている。明らかに洋上軍事基地である。1か月ほど前、火器が配備されていることがわかると米国は重大視し、南シナ海で米中間の緊張が高まっている。
 多くのマスメディアは、南シナ海にばかり注目し、わが国近傍の東シナ海での中国の動きをあまり報道しないが、中国は東シナ海で、新たな軍事基地を建設中である。中国は沖縄より尖閣諸島に100キロ近い浙江省温州市沖の南キ列島に新軍事基地を建設している。大型レーダー2台、超高速の通信情報網を設置、ヘリポート、軍用機の滑走路の建設等を進め、今年(27年)中に完成予定と伝えられる。完成すれば、中国は尖閣周辺の制空権を握り得るようになる。
 中国は本気である。尖閣を奪取したら、次に沖縄を狙う。沖縄を押さえられたら、わが国は窮地に陥る。だが、こんな状況において、沖縄では親中派の翁長新知事が普天間基地の辺野古への移転に反対している。米軍基地をなくし、中韓と提携しようとしている。中国は背後で沖縄を独立させる画策をしている。
 ところで、日本人は、尖閣・沖縄には関心が向くが、新潟・佐渡は死角になっている。中国は、新潟・佐渡も狙っている。領事館用だとして新潟市内に1万5千平米もある広大な土地を購入し、新潟市民が反対運動を行っている。シナ系の帰化人が佐渡にある「道の駅」を1円で購入した。新潟市内の土地と併せて軍事拠点として、中国が使用しようとしているのではないかと懸念されている。私は、26年10月にそのことをネットに書いた。拙稿「新潟・佐渡が中国に狙われている」である。
 そこまでは考えすぎではないかと思う人が多いだろうが、これは、単なる空想ではないことが明らかになった。
 26年末、中国人民解放軍が佐渡を占拠し首都中枢を攻撃することを想定した日米軍事合同演習が行われたことが、本年(27年)4月に分かった。軍事演習の最中、陸上自衛隊やアメリカ陸軍の幹部の間では、幾度も「リアルなシナリオ」という言葉が飛び交ったと伝えられる。詳しくは、補説(2)「“中国が佐渡島を占拠し首都中枢を攻撃”という日米合同軍事演習が行われた」をご参照願いたい。

●今できることとしての安保法制の整備


 厳しい国際環境において、日本が平和と繁栄を守っていくには、憲法の改正が不可欠の課題である。だが、現行憲法施行後、68年たってなお日本人は憲法を改正できていない。自主国防の体制は整っていない。その間に世界は大きく変化した。日本を取り巻く安全保障環境は著しく悪化している。サイバー攻撃の高度化や宇宙兵器の開発・配備も進んでいる。もはや日本一国では日本を守れない。自ら国を守る体制をしっかり整えるとともに、地球規模での国際協力を行うことが必要になっている。
 今できることとして、憲法解釈を変更して集団的自衛権を行使できるようにすることが必要である。また、日米の連携を強化するとともに、自衛隊が積極的に世界の平和と安全に貢献できるようにする。そのために急がれるのが、安全保障法制の整備である。

●日米が平和と安全のために連携を強化

 安倍晋三首相は、本年(27年)4月末から5月初めにかけて訪米し、4月28日、オバマ米大統領とワシントンのホワイトハウスで会談した。
 前日の27日、日米両国政府は、日米安全保障条約のもとで、自衛隊と米軍の新たな役割分担を定めた「日米防衛協力のための指針(ガイドライン)」の再改定で合意した。
 会談で、両首脳は、新たなガイドラインを踏まえ、東アジアで軍事的緊張を高める中国をにらんだ連携と、日米の強固な同盟関係を確認し、アジア太平洋地域や世界の平和構築に向けた関係強化で一致した。
 ガイドラインに基づく関係強化は、日本の防衛に加え、世界の平和と安定に両国が手を携えていく姿勢を示したものである。両首脳は、両国の協力関係を地球規模へ拡大する方針を確認し、内外に強く発信した。
 両首脳は、戦後70年の節目に「新時代の同盟関係」を掲げた共同声明を発表した。声明では、戦後70年の日米関係を「和解の力を示す模範」とし、ルールに基づく国際秩序の構築に寄与してきたと評価した。ガイドラインについては「海洋安全保障を含む事項についてより緊密な形で取り組む」と明記した。同時に、中国による南シナ海進出やロシアのクリミア併合を念頭に「力や強制により一方的に現状変更を試みることで主権や領土一体性の尊重を損なう国家の行動は国際秩序への挑戦である」と強調した。
 会談後の共同記者会見で、安倍首相は「同盟の歴史に新たな1ページを開いた」「同盟が世界の平和と繁栄に主導的な役割を果たす」と述べた。オバマ大統領は日本を「地球規模のパートナー」と位置付け、歓迎式典では日米同盟が「未来に照準を合わせている」とも語った。昨年4月の日本訪問時に続き、大統領は、尖閣諸島が米国による日本防衛義務を定めた日米安保条約5条の適用対象だと改めて確認した。北朝鮮による日本人拉致被害者問題に対する日本の対応については支持するとした。
 安倍首相は、4月30日、日本の首相として初めて米上下両院合同会議で演説した。演題は「希望の同盟へ」。戦後70年の節目に、敵対国から同盟関係となった日米の「心の紐帯」を訴え、日米同盟の発展が世界の平和と安定に貢献するという「未来志向」の考えを前面に打ち出した。
 演説で首相は、覇権主義的に海洋進出を図る中国を念頭に「太平洋からインド洋にかけての広い海を、自由で法の支配が貫徹する平和の海にしなければならない」と訴えた。同時に集団的自衛権の行使容認を含む安全保障法制を「夏までに成就させる」と約束した。
 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉については「経済的利益を超えた長期的な安全保障上の大きな意義がある」として、連邦議会の議員に対して交渉合意に不可欠とされる米国の大統領貿易促進権限(TPA)法案の成立と交渉妥結に協力を呼びかけた。
 先の大戦については「戦後の日本は痛切な反省を胸に歩みを刻んだ。アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目を背けてはならない」と言及した。韓国が戦後70年の安倍首相談話に求める「侵略」「植民地支配」「お詫び」の文言は使用しなかった。
 首相は、演説で、かつて硫黄島で戦った栗林忠道陸軍大将の孫・新藤義孝元総務相と米国海軍のスノーデン元中将を紹介した。互いに国運を賭けて戦った日本と米国が戦後70年の節目の年に真の和解に達したことを、象徴する場面だった。

安倍首相の帰国後、政府は5月14日、安全保障関連法案を閣議決定した。厳しさを増す国際環境の中で、日米が平和と安全のための連携を強化したところで、わが国は安保法制の整備を進めようとしているのである。ージの頭へ

 

2.安保法案の画期的な内容

 

●安保法案の概要

 これまで日本の国防体制には、いくつもの「切れ目」が存在してきた。新たな安全保障法制は、この「切れ目」をなくし、あらゆる事態に対して、国家と国民を守ることのできる体制を構築することを目指すものである。
 特に、次の三点がポイントである。
(1)中国・北朝鮮に対し、米国と緊密な連携を築くため、集団的自衛権を行使できるようにし、戦争を抑止する。
(2)有事と平時の中間的な事態に適切な対応ができるようにし、攻め込まれる隙を作らない。
(3)厳しい国際環境の中で、日本と世界の平和を守るため、自衛隊の国際的な役割を拡大する。

 安保法案は、10の既存法の改正と1の新法の制定に分けられる。既存法は、その折々の必要で作ってきたためツギハギだらけで、切れ目があり、一貫性・整合性がない。これらを一括して改正することとし、これを「平和安全法制整備法案」と呼ぶ。新法は、「国際平和支援法案」という。
 法案の内容は目的によって、日本の平和と安全に関するものと、世界の平和と安全に関するものに分けられる。これらは、相互に関連している。では、新法制で何ができるようになるのか。有事、有事と平時の中間的な事態、平時の3段階に分けて概述してみたい。

●有事における対応

◆存立危機事態には集団的自衛権を行使
 有事とは、戦争や事変などが起こった非常事態を意味する。日本が他国から侵攻を受けた時、日本は自衛権を発動し自衛隊が防衛出動する。現行法制では、日本が直接武力攻撃を受ける「武力攻撃事態」での「個別的自衛権」の行使しか認められていない。だが、昨年7月安倍内閣は、これまでの憲法解釈を変更し、集団的自衛権の限定的な行使を容認する閣議決定を行った。新法案は、この決定に沿って集団的自衛権の行使を定める。尖閣諸島を中国に侵攻された時などを想定したものである。
 自衛権を行使するのは、「我が国に対する武力攻撃が発生したこと、又は我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある」事態に限る。これを「存立危機事態」と呼ぶ。
 武力行使は、こうした「明白な危険」があるとともに、「これを排除し、我が国の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと」「必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと」という三つの要件を満たす必要があるとしている。
 集団的自衛権の行使として武力を行使するのは、「わが国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃」が発生した場合であるが、そのことにより、わが国にとって「明白な危険」がある存立危機事態に限っている。しかし、米国と緊密な連携を取ることを示すことによって、他国による戦争を抑止する効果がある。
 集団的自衛権は国連憲章で認められている権利だが、日本の歴代政権は内閣法制局の解釈により、集団的自衛権は所有するが、憲法上行使できないという解釈をしてきた。集団的自衛権を行使できないなら、戦地たとえば朝鮮戦争有事で韓国から脱出する邦人を輸送する米艦艇が攻撃されても自衛隊は武力行使できないのである。
 集団的自衛権の行使を要する存立危機事態として想定されるケースの一つとして、安倍首相はホルムズ海峡の機雷封鎖は、石油の輸送が出来なくなるので存立にかかわる事態だとする。集団的自衛権の行使として機雷掃海を行うということだが、機雷の掃海は戦闘行為ではない。また、日本の石油の備蓄は200日分あるから、すぐ行動しないといけないわけではない。また別のケースは、北朝鮮が米国に向けて弾道ミサイルを発射した場合である。わが国はこれを存立危機事態としてミサイルを迎撃できるようにする。機雷掃海やミサイル防衛は、ガイドラインの再改定において、集団的自衛権を行使する分野として盛り込まれた。
 私見を述べると、新法案は存立危機事態について武力行使の新たな3要件を反映しているが、諸外国に比較して厳しい制約を課している。「明白な危険」「他に適用な手段がない」「必要最小限度」の解釈が厳しすぎると、自衛隊への防衛出動命令が遅れ、自衛隊はより厳しい状況での戦闘を強いられるために、犠牲者を増やしたり、国民への悪影響が増大したりしかねないと思う。

●有事と平時の中間的な事態における対応

◆グレーゾーン事態には閣議決定を迅速化
 他国が武力攻撃してきて自衛隊に防衛出動が命じられる「有事」ではないが、治安維持を担う海上保安庁や警察による対処は困難という事態を、グレーゾーン事態という。
例えば、武装集団による離島への不法上陸・占拠、日本領海で国際法上の無害通航に該当しない外国軍艦の航行、公海上での日本の民間船舶に対する侵害行為などのような日本の主権が侵害されるケースである。
 自衛隊は、これらのケースに治安出動や海上警備行動などで対処するが、発令には閣議決定が必要である。通常の閣議決定では、閣僚を招集している間に事態が悪化するおそれがある。現在も閣僚の署名を順次集める「持ち回り閣議」の方式がある。ただし、閣僚が地方にいる場合やグレーゾーン事態が深夜や未明に発生した場合には、迅速な決定ができない。そこで自衛隊の即時出動のため特に緊急な判断を必要とし、速やかな臨時閣議開催が困難なときは、首相の主宰により、電話等により各閣僚の了解を得て閣議決定する方式を導入する。

◆重要影響事態には地理的制約なく米軍以外も後方支援
 グレーゾーン事態と同じく「有事」ではないが、そのまま事態を放置すれば、日本に重要な影響が及ぶ事態が考えられる。
 従来、日本周辺で、そのまま事態を放置すれば日本に対する直接の武力攻撃に至るおそれがある事態を周辺事態とし、朝鮮半島有事や台湾海峡有事などを想定してきた。周辺事態への対処を定める周辺事態法では、後方支援の対象は米軍のみである。
 新たな安保法制では、放置すれば日本の直接の武力攻撃に至るなど日本の平和と安全に重要な影響を与える事態を「重要影響事態」と呼ぶ。そして周辺事態法を「重要影響事態法」に改める。事態が発生する地域を、日本周辺に限定しない。自衛隊の活動範囲に対する地理的制約をなくす。また、「重要影響事態」と判断されれば、日本の安全保障に資する活動をしている他国軍であれば、米軍に限らず、どの国の軍隊でも後方支援できるようにする。
 インド洋や南シナ海など日本のシーレーン(海上交通路)の確保を想定しているものと理解される。支援内容も、弾薬の提供や発進準備中の戦闘機への給油をできるように改め、質量ともに活動の幅を広げる。

 

●平時における対応

◆在外邦人の救出を行う
 日本に軍事的な脅威が差し迫っていない「平時」においても、日本の平和と安全を守るための取り組みが必要である。
 その一つが、国外でテロが発生した場合の在外邦人の保護である。今まで自衛隊は海外に日本人の救出に行けなかった。新法制では、一定の要件を満たせば、現地の警察・軍と一緒に救出活動を行うことができるようにする。
 政府が想定する邦人救出は、平成8年のペルー日本大使公邸占拠事件のように在外公館がテロ組織に占拠されるケースや、治安悪化によって国外退避する邦人を警護するケースなどである。政府は、平成25年1月のアルジェリア人質事件を機に、自衛隊に在外邦人の陸上輸送を可能とした。だが、自衛隊は、テロ組織に拘束された邦人の救出に行くことはできない。武器使用権限が正当防衛や緊急避難など「自己保存型」に限られているからである。新法制では、在外邦人を救出する任務に必要な武器使用を認める。武器使用権限を武装集団などを排除する「任務遂行型」に改め、国際標準の使用基準に近づける。
 救出任務の実行には、当該国が同意しているほか、当該国の権限がその地域に及んでいることなど3つの要件を満たす必要があるとしている。

◆PKOでの駆け付け警護を行う
 新安保法制では、国連平和維持活動(PKO)に派遣される自衛隊の役割を拡大する。現法制下では、日本人の非政府組織(NGO)やJICAの職員等が武装勢力に襲われた場合、遠方にいる自衛隊は、助けに行けない。それどころか、離れた場所で活動中の自衛隊員が襲われた場合にも、助けにいけない。新たな安保法制では、自衛隊に日本人や自衛隊員、他国軍等を救援する「駆けつけ警護」を可能とする。また、現地住民を混乱から保護する「安全確保業務」を追加する。そのために必要な武器使用権限を拡大するとしている。

◆非国連統括型の国際連携平和安全活動に参加する
 国連が主導するPKO以外に、国連が統括しない国際協力にも自衛隊が参加できるよう「国際連携平和安全活動」を新設する。国連決議がない場合でも、欧州連合(EU)など国際機関の要請があれば、人道復興支援や治安維持活動のために自衛隊を派遣する。
 活動の正当性を確保するため、PKOに自衛隊を派遣する際の「参加5原則」を満たすことを必要とする。政府は、自衛隊が平成16〜20年に派遣されたイラクでの人道復興支援活動のようなケースを想定している。

◆国際平和共同対処事態には戦闘地域の近くでも活動する
 日本の平和と安全は世界の平和と安全と切り離せない。世界の平和と安全が維持されてこそ、日本の平和と安全も維持される。それゆえ、新安保法制では、「国際平和支援法案」という新法を設けて、「国際平和支援」の活動のため、自衛隊が多国籍軍等への燃料や弾薬の提供などの後方支援を随時可能にする。
 平成13年のアフガニスタン戦争に参加した米軍など有志連合軍に対する自衛隊による後方支援は、時限立法のテロ対策特別措置法で対応した。必要な事態が生じてから法律を制定するために迅速な反応は難しかった。新法は、恒久法を作ってそれを基に対応しようというものである。
 新法では、国際社会の平和と安全を脅かし、日本が協力する必要がある事態を「国際平和共同対処事態」と定義する。自衛隊の派遣は、国連総会か国連安全保障理事会の決議を要件とする。
 今までは戦闘地域と非戦闘地域に分け、その間に中間的な地帯を想定して、自衛隊は非戦闘地域で後方支援をするとしていた。他国軍の武力行使との「一体化」を避けるためである。だが、戦闘地域は移動するものだから、非戦闘地域にも戦闘が広がらないとは限らない。新法では、自衛隊は「現に戦闘行為が行われている現場」以外で活動できると改める。より戦闘地域に近いところで自衛隊が活動できるようにする。
 留意したいのは、現に戦闘行為が行われていない場所で、物資の補給等の後方支援を行っていても、相手が敵とみなして攻撃してくる可能性はあることである。もし攻撃されれば、正当防衛で反撃する。その判断は現場の指揮官が行う。これまでは外国軍を後方支援する場合、近くで戦闘行為が始まれば自衛隊は撤退することとしていた。これでは、外国から真の信頼は得られない。自国の平和と安全だけでなく、世界の平和と安全に貢献するには、この点の改善が必要となっている。
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3.安保法制の整備は急務

 

●急がれる安保法制の整備

 安保法案は5月15日に国会に提出され、与野党の論戦が行われている。政府は6月24日までの会期を大幅延長して、今夏までの成立を目指している。法案は成立すれば、戦後70年の安全保障政策を大きく転換するものとなる。
 新たな安保法制は、集団的自衛権を行使できるようにすることで、格段と戦争抑止力を高める。また、自衛隊の海外活動を拡大することで、日本及び世界の平和と安全を確保することを目指している。
 安倍首相は米国での議会演説で、安保法案を今年の夏までに成立させると公言した。野党やマスメディアから、国会軽視、国民軽視という批判が上がった。だが、昨年12月の衆院選で安倍内閣はアベノミクスだけでなく、外交・安全保障等について国民の審判を受け、国民多数の支持を得ている。また昨年来、安保法案づくりの与党協議は正式なものだけで25回を数えた。国会での質疑も事実上、行われた。その集大成が今回の2法案である。国会への提出が拙速という批判は当たらない。
 反対派が安保法制に「戦争法案」というレッテルを貼り、戦争に巻き込まれると主張しているのは、大きな誤りである。集団的自衛権の行使容認による日米同盟の強化は、何より中国等の侵攻による戦争を防ぐ抑止力を高める。逆に、現在の欠陥だらけの法制では、その隙を突かれて、中国による尖閣諸島・沖縄等への侵攻を許すおそれがある。反対派は、自衛隊が海外に派遣されると、そこで戦争に巻き込まれるという可能性を強調するが、中国が尖閣諸島や新潟・佐渡を侵攻する差し迫った危機については、語らない。北朝鮮がわが国に向けてミサイル攻撃をしたり、あるいは韓国に攻め入ったりすることは、語らない。安保法制に反対することによって、結果として中国や北朝鮮を利する言動を行なっている。
 自衛隊の海外派遣が際限なく広がりかねないという不安から反対している人もいるだろう。だが、自衛隊を派遣する国際平和支援活動は、例外なき国会事前承認を義務付け、国会提出後7日以内を努力義務とする。集団的自衛権の行使や重要影響事態への対処も、原則的に事前承認を必要とする。緊急時の対応であれば、例外的に事後承認も可とするが、その場合、国会が承認しなければ、撤退命令が出される。
 ところで、私は、今回の安保法案をその限りで高く評価するが、いくつか課題があることを指摘したい。
 湾岸戦争で、日本は130億ドル(約1兆円)出したが、クエートの米紙への感謝広告に日本の名がなかった。カネだけ出して人を出さないのでは、国際社会では評価されない。そこで自衛隊を海外でも活動できるようにした。カンボジア復興支援、イラク復興支援、インド洋米軍支援(洋上給油)等で活躍し、世界で高く評価されている。
 今回の安保法制では、自衛隊が世界中で活動できるようにする。ただし、現行憲法のもと、自衛隊は軍隊ではないので、各国の軍隊と同じ基準を持っていない。この状態での法制の整備には限界がある。
 武力行使の新要件等を法に定める場合、「明白な危険」「必要最小限度」等と言う言葉を使うが、厳密な定義はできない。むしろ、あまり細かく定めると、それに縛られてしまう。できることを決めるよりも、できないことを決め、それ以外はできるような定めにする方が良い。これをネガティブリストという。諸外国では、それが普通である。できることを細かく決めるポジティブリストでは、複雑になりすぎる。
 自衛隊員は22万人しかいない。「自衛隊員」は大臣・副大臣・政務官・事務次官を除く全員である。そのうちの階級のある制服組が「自衛官」である。この人数で出来ることは限られている。日本の領土の防衛や災害支援活動が主である。なんでも海外に出ていくことはできないし、その必要もない。自衛隊を外国、特に米国の求めになんでも応じる便利屋のようにしてはいけない。

 

●安保法案は現行憲法に違反しない

 次に、安保法案が合憲か違憲かという議論が起こっている点について述べる。
 6月4日の衆院憲法審査会で自民党が推薦した3人の参考人全員が安保法案を憲法違反と断じたため、野党は政府への批判を強めている。(補説(3)を参照のこと)民主党の辻元清美氏は、5日の平和安全法制特別委員会で「政府は法案を一度撤回すべきだ」と要求した。中谷防相は、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を容認した昨年7月の閣議決定について「従来の憲法9条をめぐる議論との整合性を考慮した。政府による憲法解釈の裁量の範囲内で、違憲ではない」と答弁した。
 6月9日政府は本件について見解を出した。要旨を示すと「集団的自衛権の行使を限定的に容認した武力行使の新3要件は、憲法9条の下でも例外的に自衛のための武力行使が許される場合があるという昭和47年10月に示された政府見解の基本的な論理を維持したものだ。国際法上集団的自衛権の行使として認められる他国を防衛するための武力行使それ自体を認めるものではない。あくまでもわが国の存立を全うし、国民を守るため、やむを得ない措置として一部限定された場合において武力行使を認めるにとどまる」などと述べ、新3要件は「従前の憲法解釈との論理的整合性等が十分に保たれている」としている。
 実は1950代の鳩山首相・岸首相の時代は、集団的自衛権の行使を可能としていた。昭和30年代に岸首相は、「いっさいの集団的自衛権を持たない、憲法上持たないということは言い過ぎ」「他国に基地を貸して、協同して自国を守るというようなことは、当然従来集団的自衛権として解釈されている」などの国会答弁を行なった。第2次岸内閣の防衛庁長官・赤城宗徳は、「憲法第9条によって制限された集団的自衛権」という表現を用いた答弁をした。
 憲法と日米安保条約の関係は、砂川事件に関して法廷で正面から問われた。昭和34年(1959)12月の最高裁判決は、国家の自衛権を確認したうえで、憲法第9条の禁止する戦力には、外国の駐留軍は当たらないとした。この判決で田中耕太郎最高裁長官は、補足説明にて、「今日もはや厳格な意味での自衛の観念は存在せず、自衛はすなわち『他衛』、他衛はすなわち自衛という関係があるのみである。従って、自国の防衛にしろ、他国への防衛協力にしろ、各国はこれについて義務を負担していると認められる」と記した。この最高裁の判断は、集団的自衛権を肯定したものである。
 ところが、その後、昭和47年(1972)以降、特に56年(1981)以降、政府解釈が変更され、内閣法制局の官僚による「集団的自衛権は所有するが、憲法上行使できない」という解釈が定着するようになった。詳しい経緯は、拙稿「集団的自衛権は行使すべし」の第5章「政府解釈は自制的に変化した」をご参照願いたい。

 このたび政府は、集団的自衛権の行使を限定的なものとし、また「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険」「他に適当な手段がない」「必要最小限度」という極めて厳しい要件をつけている。この要件は、自国の存立を全うするために必要な自衛措置を容認した最高裁の砂川事件判決を踏まえている。砂川判決は、わが国は主権国家として、個別的自衛権にとどまらない「固有の自衛権」を持つという判断を示したものである。また、今回の政府見解は、国民の権利が根底から覆される事態に対処する、必要最小限度の武力行使は許容されるとした昭和47年の政府見解とも合致している。
 今回の政府の憲法解釈の変更は、行政府の公権的解釈権による合理的な範囲内の憲法解釈の変更である。内閣が憲法解釈の変更を行い、それに基づいて法案を国会に提出することは、行政府としての合法的な行為である。これに対し、国会は国権の最高機関として法案の審議を行う。最終的に合憲か違憲かの判断は、司法が違憲立法審査を行う。憲法の三権分立が機能している。そこに法治国家としての秩序が保たれている。
私見を述べると、今回の内閣による憲法解釈の変更は、恣意的な変更ではない。集団的自衛権の限定的行使の容認は、現行憲法に違反しない。昭和30年代には、それが政府見解だった。その後の「集団的自衛権は所有するが、憲法上行使できない」という内閣法制局の解釈がおかしかった。それを是正して元に戻すだけのことである。
 憲法は国民のための憲法であって、憲法のための国民ではない。国家の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険のある事態においても、集団的自衛権の限定的な行使さえできないとするような憲法解釈は、大間違いである。そのような憲法解釈は、日本を滅亡に導くものである。憲法守って国滅ぶ、というような愚かな判断をしてはならない。
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4.憲法の早期改正を実現しよう

 

●日本を守るために憲法の早期改正を

 安保法制の整備は、有事、平時、その中間的事態のすべてを通じて、日本の平和と安全を守るために必要な法整備を目指すものである。現在の法制の欠陥を正し、切れ目をなくし、起こり得る事態に対処するための選択肢を広げるものである。そのうえで、実際にどう対処するかは、政治の判断である。
 日本の主権と独立、国民の生命と財産を守るため、国益を第一とした判断がされねばならない。また、集団的自衛権の行使も、自衛隊の海外活動も、国会の承認を必要とする。国会の承認ということは、最終的には国民の意思によるということである。
 ますます厳しくなっている国際環境において、日本人は、安全保障の問題を避けて通れない。ただ平和を祈っていれば、中国も北朝鮮も攻めて来ず、イスラーム過激派も日本人にテロを起こさないのではない。国民が自ら国を守るという意思、そのために必要な取り組みをするという努力が必要である。その意思を欠き、取り組みもしない国民は、日本の富や技術を狙う勢力によって攻めこまれ、他国に支配・略奪され、滅びの道をたどるだろう。
 日本人は滅びの道へ進みたくなければ、自ら自国を守るという意思を持ち、国を守るための努力をしなければならない。そのために、為すべき課題が憲法の改正である。
 安保法制の整備は、できるだけ急いだ方が良い。今のままでは、中国が尖閣諸島を攻めてきても、日本はまともな防衛ができない。厳しい国際環境において、日本の平和と繁栄を維持していくことができない。当面できることとして安保法制を整備して国防を強化し、戦争抑止力を高め、いざという時には適切な対処ができるようにしたうえで、憲法の改正を行わねばならない。今回の安保法制は、憲法を改正して、ちゃんとした体制を創るまでのつなぎである。できるだけ早く憲法を改正し、国家を再建して、日本の平和と繁栄を守る体制を確立しなければならない。
 現行憲法のもとでは、国防を米国に大きく依存しているので、米国に協力しないと中国・北朝鮮が侵攻したときに助けないと言われると、協力せざるを得ないことになる可能性がある。米国追従ではなく、主体性が大切。またその主体性を発揮できるように、憲法を改正し、いざとなったら米国に頼らずに国を守ることのできる国になる必要がある。
 政府は、専守防衛という政策を取っている。専守防衛が憲法の規定であるかのような主張があるが、これは誤りである。戦後、鳩山政権・岸政権の時代には、そんな考え方はなかった。昭和40年代から使い出され、昭和47年に国防を受動的な防御に徹する専守防衛に限定した。政治的な用語であり、防衛上の概念ではない。防衛用語の「戦略守勢」は、全般的にみれば守勢であるが、戦術的な攻撃を含んでいる。敵から攻撃を受けた場合は、敵基地へも反撃を行う。また、明らかに攻撃を受けることが予測される場合は、先制攻撃を行うことも含む。受動的な防御に徹し攻撃をしないのでは、国を守ることはできない。叩いても叩き返してもないとわかっていれば、相手はやりたい放題に攻めてくる。
 現行憲法は、司法制度にも欠陥がある。軍事に関することも日本では普通の裁判所が判断する。だが軍事のことは専門家でないと判断しにくい。普通の国では軍法会議にかけ、軍事裁判所で裁く。自衛隊は軍隊ではないので、こうした機関がない。憲法を改正し、自衛隊を軍隊とするとともに、軍事に関する裁判を行う軍事裁判所を新設する必要がある。この点は、新憲法ほそかわ私案(第18条)に書いた。
 平成28年夏の参院選で改憲勢力が多数を占めれば、秋の国会に憲法改正案が提出される。各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国民に発議される。発議後、6か月以内に国民投票が行われる。平成29年の早期までに国民投票を実施することが、改憲派の目標となっている。これがいま最も順調に行った場合の最速のスケジュールである。
 当然、中国は日本が憲法を改正して体制を整える前に、尖閣・沖縄、場合によっては佐渡を侵攻しようとするだろう。相手の防備が整う前に攻めるのは、戦争の定石である。東シナ海の前に、南シナ海で米中の激突が始まるかもしれない。即座にシーレーンの航行が危険にさらされるかもしれない。厳しい国際環境で、日本の平和と安全を守るには、政治家のレベルアップとともに、国民のレベルアップが必要である。その努力を怠ったならば、混迷と衰亡の方向に進んでしまう。
 日本人は自己本来の日本精神を取り戻し、一致団結して日本の平和と安全を守り抜かねばならない。
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補説 (1)学識経験者の見解

 

 補説として、安保法案に関する学識経験者の見解を掲載する。

 

最初に憲法学者3名の見解を紹介する。まず日本大学教授の百地章氏である。

 本年(27年)6月4日の衆院憲法審査会で、自民党推薦の長谷部恭男早大教授ら3人の参考人全員が集団的自衛権の行使は憲法違反としたため、国会に混乱が生じた。混乱収拾のため6月9日に政府見解が発表された。この政府見解について、百地氏は、「もっぱら『従前の憲法解釈』と集団的自衛権の限定的行使を認めた『新見解』との整合性を説明したもので、それ自体に異論はない。しかし、国民に対してより説得力を持たせるためには、改めて国際法と憲法9条に照らして、集団的自衛権の行使は問題ないこと、つまり新見解は『憲法9条の枠内』での変更にとどまることを明らかにすべきであった」と言う。そして、次のように述べている。

 「集団的自衛権は国際法上の権利であって、国連憲章51条及びサンフランシスコ平和条約5条cは、わが国に対し無条件でこの権利を認めた。ということは国際法から見て『集団的自衛権は保持するが行使できない』などといった解釈の生ずる余地はない。他方、憲法9条1項2項は、どこを見ても集団的自衛権の『保持』はもちろん『行使』も禁止していない。とすれば、国際法上全ての主権国家に認められた『固有の権利』(国連憲章51条)である集団的自衛権を、わが国が保有し行使しうることは当然である」と。ただし、憲法9条2項が『戦力の不保持』と『交戦権の否認』を定めている以上、それに伴う制約がある、という異論があり得る。「そこで政府は集団的自衛権行使を『限定的に容認』することになったと思われる。この新見解が『憲法9条の枠内』にとどまることはいうまでもなかろう」と百地氏は、見解を明らかにしている。

 憲法9条については、砂川事件の最高裁判決がある。同判決は、自衛権について、憲法9条は「わが国が主権国として持つ固有の自衛権」を「何ら否定」しておらず、「わが国が、自国の平和と安全を維持しその存立を全うするために必要な自衛のための措置をとりうることは、国家固有の権能の行使として当然のことといわなければならない」としている。百地氏は次のように言う。「同事件で問題とされたのは米駐留軍と旧安保条約の合憲性であった。同条約は『すべての国が個別的及び集団的自衛の固有の権利を有することを承認し』たうえ、日本国が『これらの権利の行使として』米軍の国内駐留を『希望する』(前文)としている。つまり、旧安保条約締結当時(昭和26年)、わが国政府は『集団的自衛権の行使』を認め、国会も承認したわけである。だから同判決は集団的自衛権を射程に入れた判断であって、判決のいう『自衛権』の中には当然『個別的自衛権と集団的自衛権』が含まれる」と。

結論として、百地氏は、次のように主張している。「国際法と憲法さらに最高裁判例に照らして疑義がない以上、政府与党は自信をもって安全保障関連法案を推進すべきである」と。

http://www.sankei.com/column/news/150616/clm1506160001-n1.html

 

 百地章氏は、本年(27年)6月19日、東京都内の日本記者クラブで、駒沢大名誉教授の西修氏とともに記者会見した。両氏はこの会見において、「憲法と安保法制」をテーマに講演した。百地氏の講演は、先に紹介した見解を踏まえたものだった。次に、西氏の講演の要旨を掲載する。

 「9条で自衛権の行使は認められている。集団的自衛権は個別的自衛権とともに主権国家の持つ固有の権利だ。安保関連法案は限定的な集団的自衛権の行使容認であり、明白に憲法の許容範囲だ。

 集団的自衛権の行使を認めないということは主権国家ではないということなのか。憲法上、許される必要最小限度の行使は有り得るのではないかという根本的な疑問に十分答えないまま何十年も過ごしてきたのが現状だ。

 国民の負託を受けている国会は自衛権行使の範囲、態様、歯止め(制約)、承認のありようなどについて審議を尽くすべきだ。

 厳しい国際情勢を冷静に分析することが肝要だ。安保関連法案は『戦争法案』だというレッテル貼りはやめよう。内容は『戦争抑止法案』だ。

 集団的自衛権の方が自国のみの防衛よりはるかに安全で安上がりだ。北大西洋条約機構(NATO)が欧州で戦争を抑止してきた冷厳な事実に目を向けるべきだ。

 スイスは集団的自衛権を否定しているが重武装で徴兵制を敷く。集団的自衛権禁止派はこのような国防体制を望んでいるのか。

 学説とは人数の多寡ではない。PKO協力法案が審議された際に学界は反対だった。私の学説は少数派だった。しかし現在、PKOに反対の方はどれほどいるか。メリット、デメリットを公正に報道していただきたい。細かな点よりも本質は何かをマスコミは考えていく必要がある。

 (混乱を回避するため)憲法9条を誰が読んでも自衛戦力さえ持てない非武装条項に改めるか、誰が読んでも自衛戦力(軍隊)を持てる条項に改めるか、二者択一の国民投票の実施を提案したい」

http://www.sankei.com/politics/news/150620/plt1506200004-n1.html

 

 次に憲法学者で麗澤大学教授の八木秀次氏の見解である。

 八木氏は、現行憲法が制定された後に、国際秩序が変化し、憲法が立脚する体制と実際の安全保障が立脚する体制が異なることになった、わが国はその矛盾を解消しなければならないと説く。

 戦後、連合国が中心になった国際秩序を「ポツダム体制」と呼ぶ。八木氏によると、ポツダム体制における日本の位置付けは、「連合国の旧敵国で、『米国及び世界の平和の脅威』(米国の初期対日方針)というものだった。そしてそれを固定するものが現行憲法であり、とりわけその9条2項だった」。しかし、「『ポツダム体制』は長くは続かなかった。連合国が内部分裂し、東西冷戦すなわち自由主義対共産主義の激しい対立が発生した」。これによって、ポツダム体制は崩壊した。

わが国は、サンフランシスコ講和条約の発効により、昭和27年4月に主権を回復した。新たに日本が属することになった国際秩序を、「サンフランシスコ体制」と呼ぶ。八木氏によると、新たな体制において、日本は「自由主義陣営の一員として共産主義と闘う同志であり、共産主義への防波堤となることが期待された」。講和条約締結と同時に日米安保条約も結ばれ、日米は同盟関係になった。その結果、「日本国憲法は『ポツダム体制』における日本の立場を固定するために制定された。しかし、前提となる『ポツダム体制』は崩壊し、代わって誕生した新しい国際秩序『サンフランシスコ体制』に基づいて安全保障体制は築かれた」。そのため、『憲法の規定と実際の安全保障とがその立脚する体制・原理を異にする』ことになった、と八木氏は指摘する。そして、「その矛盾を解消しなければならない」と主張する。

だが、憲法は一度の改正もなされず今日に至っている。ここで八木氏は、現在の厳しい国際環境を踏まえて、次のように説いている。

 「憲法の規定と実際の安全保障体制との間に齟齬(そご)・矛盾があることは誰にもわかる。しかし、憲法を楯にとって安保法制関連法案の非を論(あげつら)っている余裕が今のわが国にあるだろうか。中国は南シナ海の岩礁を次々に埋め立て、軍事目的で使用することを公言している。米国何するものぞという勢いであり、余波が東シナ海に及ぶ可能性は高い。

 安全保障のリアリズムの考えによれば、力と力がぶつかるときに均衡が生じ、平和は訪れる。わが国が主権を維持し、中国との戦闘を避けるためには日米関係の強化が不可欠だ。それが戦争を避ける抑止力になるからだ。そのための措置が安保法制関連法案だ。

 憲法との矛盾は誰にでも指摘できる。しかし、わが国は生き残らなければならない。「憲法残って国滅ぶ」では困るのだ。矛盾を矛盾と知りつつ、知恵を出すのが常識ある憲法学者の役割ではないのか」と。

http://www.sankei.com/column/news/150617/clm1506170001-n1.html

 

 続いて、国際政治学者の見解を紹介する。

京都大学名誉教授の中西輝政氏は、法案が集団的自衛権の行使に極めて厳しい要件を付していることについて、次のように言う。

「これは1959年の最高裁判所の出した『砂川判決』がつとに認めた、主権国家としての『固有の自衛権』(個別的自衛権ではない)に収まるものである。また60年3月に当時の岸信介首相が参議院予算委員会で答弁しているように『一切の集団的自衛権を(憲法上)持たないというのは言い過ぎ』で、集団的自衛権というのは『他国にまで出かけていって(その国を)守る、ということに尽きるものではない』として、現憲法の枠内での限定的な集団的自衛権の成立する余地を認めてきたのである」「また昨年5月15日に出された安保法制懇(第2次)の最終報告書が言う通り、一般に集団的自衛権の行使を禁じたとされる内閣法制局の見解に対しては、我が国の存立と国民の生命を守る上で不可欠な必要最小限の自衛権とは必ずしも個別的自衛権のみを意味するとはかぎらない、という論点にも再度注意を払う必要があろう」と。

 中西氏は、「現下の国際情勢とりわけ日本を取り巻く安全保障環境の激変というか、その急速な悪化にこそ目が向けられるべき」と説く。「今日の急迫する東シナ海や南シナ海をめぐる情勢と中国の軍事的脅威の増大、進行する米軍の抑止力の低下傾向を見たとき、この法案はまさに法治国家としての国是を踏まえ、ギリギリで折り合いをつけた日本存立のための『切り札』と言わなければならないのである。

今や尖閣諸島の安全が日々、脅かされている状態が続いており、この4月27日には日米間でようやく新ガイドライン(防衛協力のための指針)が調印され、日米同盟による対中抑止力は格段に高まろうとしている。しかし、それにはこの安保法案の成立が大前提になっているのである。

南シナ海の情勢は一層緊迫の度を増している。この法案にアジアと世界の平和がかかっているといっても決して大げさではない」と。

http://www.sankei.com/column/news/150610/clm1506100001-n1.html

 

次に、防衛関係の専門家2名の見解を紹介する。国会議員のほとんどは軍事に関する専門的な知識や経験がない。わが国では、国民が民間防衛のための訓練を受ける機会がない。また大学では一般教養科目として軍事に関することが教えられていない。このような現状において安全保障関連法案の国会審議を行うには、元自衛官や防衛大学の教授などの学識経験者を公述人として呼び、参考意見を聴く必要がある。そうした機会が設けられるのかさだかでないが、審議に預かる政治家は、防衛関係の学識経験者の意見に耳を傾けるべきである。

 元防衛大学校長で平和安全保障研究所理事長の西原正氏は、今回の安保法案を次のように評価する。 
 「一国の安全保障はあり得るさまざまな事態を想定し、それに対応するための方策を幅広く用意しておくのが原則である。最悪の事態を想定してその対応策の選択肢を多く持っていれば、余裕を持って対応することが可能であり、パニックに陥ることも少ない。この度の法案のほとんどは最悪の場合に、日本はどうするのかを規定したものである。重要な影響を及ぼす事態において米軍や他国軍への後方支援を拡充する改正法案や、武力攻撃を受けて日本の存立が危機に瀕する事態において集団的自衛権を行使する改正法案などである。そういうことが必ず起きるというのではなく、事態を想定して準備をすることを決めておくのが重要だ」と。
 また、次のように述べている。「存立危機事態にあって自衛隊が集団的自衛権を行使するのは、同盟国や友好国とともに国際秩序を回復するための共同行動である。しかもそれはホルムズ海峡機雷封鎖の事態に対するように、国際的共同行動によって共通の国益を守ろうとするのであるから、防御的防衛行為ではあっても戦争行為とはいえない。野党はこうした事態に対して日本の国益は何なのかという現実的議論をすべきである。ホルムズ海峡が閉鎖されても、自衛隊は何もすべきでないというのならば、石油の輸送中断で日本経済がガタガタになっても、国民に堪えるように訴える責任と覚悟が必要である。多少の犠牲は払ってもホルムズ海峡の航行再開を早期に完遂することで、国民の生命と財産を守り、国際社会から感謝される現実的選択肢の方がはるかに日本に有益だと考える」
 次に、自衛隊の任務については、次のように主張している。「今後の自衛隊は有事に任務を遂行することがあるという点で、確かにこれまでより危険度は高くなる。しかし自衛官は、『事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託に応えることを誓います』と服務の宣誓をしている。自衛官はこの任務を遂行することで厳しい訓練への報いと他国軍隊と同じ尊敬を得られることへの満足を抱く筈である。自衛官の防人としての誇りは彼らの精神的支柱となっている。『危険なところに送るな』というのは、自衛官を侮辱しているとさえ言える」と。
http://www.sankei.com/column/news/150520/clm1505200001-n1.html

 元陸将・北部方面総監で帝京大学教授の志方俊之氏は、安保法案を次のように評価する。
 「今回の『国際平和支援法案』と『平和安全法制整備法案』は、冷戦終結後の1990年頃に整備しておくべきものだった」。わが国はカンボジアでのPKO、ペルシャ湾掃海、イラク人道復興支援活動等に、「安全保障関連法が整備されていないにもかかわらず、国際社会が求める諸活動のために現地に自衛隊を送ってきた。そして現地の実情に対して十分ではない法律との難しい隙間を自衛隊が埋めてきた。その意味で、今回の法整備を高く評価するものである」。
 次に、自衛隊の海外活動の拡大については、次のように述べている。「海外における自衛隊の活動範囲が広くなり、武器使用の枠も拡大されるので、現地における自衛隊員のリスクは急激に高くなると心配する向きもある。しかし、必ずしもそうとはかぎらない。法整備がないまま現地の指揮官が武器使用を逡巡して対応が遅れることで、逆にリスクは高くなる。過剰に反応すると心配する論議もあるが、そこは現地指揮官を信頼してもらうしかない。部下を不必要な戦闘に巻き込まずに、任務を達成することが指揮官の務めである。今回の法案では『駆け付け警護』が含まれている。これで現地の指揮官は大きい悩みが一つ消える」
 「これまでの海外活動で、自衛隊に死傷者が出なかったのには『運』もあるだろうが、必ずしもそれだけではない。自衛隊は現地で遭遇する状況よりも厳しい訓練をしている。訓練で汗をかき、実任務で血を流さないようにと努めているのだ。その厳しい訓練ですでに1851柱の殉職者を出している。自衛官だけではない。海上保安官は日本の海を守るため何人も殉職している。PKOでは警察官も殉職した。イラクでは2人の外交官が殉職している。このような若者たちの命によって国民の安全と生活が守られているのだ。自衛官である以上、リスクは当然ある。だからこそ自衛官は『事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託に応える』と入隊時に宣誓しているのである」と。
http://www.sankei.com/column/news/150602/clm1506020001-n1.html

 参考に加えると、元米海軍士官、元国防総省安全保障局日本部長で、ヴァンダービルト大学名誉教授のジェームス・E・アワー氏は、米国人の側から、1960年成立の日米安全保障条約は「日本を危うくする どころか、55年間の日本の安全を実現させた」と評価する。そして、次のように言う。
 「60年以降、時代は変わった。北朝鮮は危険な軍事力を持つ予測不可能な専制体制によって統治され、顕在的な核武装脅威国になろうとしている。中東は、非常に不安定だが戦略的に重要だ。中国の軍事費は、控えめに言っても気がかりな種々の理由で増加しており、中国の東シナ海と南シナ海での挑戦的な行動は、日本の安全保障と航行の自由を脅かし、日本やより広大な地域、世界の経済に深刻な結果をもたらしかねない。それゆえに、日米同盟が今も存在していることに関する論理的根拠はある意味、前にも増して重要になっている」と。
 今回の安保法案については、戦争抑止力を高めるものとして評価している。
 「もし日本が集団的自衛権に関する閣議決定とガイドラインの履行に向けた新たな安全保障法を成立させたならば、北朝鮮が日本海を警戒行動中の米軍艦船に向けてミサイルを発射したり、イランがホルムズ海峡に機雷を敷設したり、また、中国が太平洋の米ミサイル防衛システムにサイバー攻撃を仕掛けたりした場合、日本はこれらの状況のうち一つでも複数でも日本の安全保障をも危うくすると判断した場合は、米国とともに問題に対処できるようになる。新たな安保法で、日本は合法的かつ現実的な行動を取ることを検討できる権利を得る。北朝鮮、イランと中国は、もし日本が米国と連携できないと知れば勢いづく恐れがある。一番重要なのは、西太平洋の技術的に最も高度な防衛力を備えた両国が合法的に対抗措置をとることができ、日本の安全保障が脅かされた際は、日米両政府が共同行動を取る決意であると知れば、これらの国々は、先に挙げたような攻撃を実施しないだろうということだ」。
 そして、安倍首相が日米の連携は抑止力においては「1+1=2以上」だという考えを表したことを受けて、次のように主張している。
 「いつ、どこで日本の安全が脅かされたとしても、日本が法律に従って行動できることを可能にする新たな措置と、日米両国が共に行動し、『1+1=2以上』という潜在的相乗効果を生みだすという決意を相互に確認することが、1960年の安全保障条約を残りの21世紀においてはるかに(現実世界と)関連の深いものにすることになるのだ」と。
http://www.sankei.com/column/news/150519/clm1505190001-n1.html

 以上、憲法学者、国際政治学者及び防衛関係の学識経験者の意見を紹介した。安保法案の審議に預かる政治家は、ここに揚げたような日本人有識者の意見に耳を傾けるべきである。国民もまた自分の国は自分で守るという自覚を以て、安保法制の整備を真剣に考えなければならない。
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補説 (2)“中国が佐渡島を占拠し首都中枢を攻撃”という日米合同軍事演習が行われた

 

日本人は今、尖閣、対馬には目を向けているが、佐渡は死角になっている。中国は尖閣、対馬に関心を集めておいて、佐渡を取る。そういう作戦が想定される。この件については、昨26年10月に拙稿「新潟・佐渡が中国に狙われている」を書いた。
 上記の拙稿は、新潟県民で中国の土地取得問題に取り組んでいる人や防衛問題に関心の高い人には、憂慮を共にするものとなったが、そこまでは考えすぎではないかと思う人も多いことだろう。
 だが、実は、昨26年末日本の自衛隊と米軍は、中国の佐渡島占領を想定した合同軍事演習を行っていた。このことを伝えたのは、『週刊文春』平成27年4月2日号の「『首相官邸』を中国特殊部隊から防御せよ!」と題された記事である。
 最初に、私なりに記事を要約し、私見を述べる。次に記事からの抜粋を掲載する。

 要約: 「昨年末、戦後初となる画期的な日米合同演習が極秘で行われた。日本海の海底油田の独占を図った人民解放軍『特殊任務旅団』の20個の特殊任務中隊が、作戦拠点として佐渡島を占領、実効支配した。それに対して、日本は、約5万8千人の島民を避難誘導し、日米軍による奪回作戦が行われた、とのシナリオに沿って演習が行われたものである。隠されたシナリオは南西諸島の奪回作戦であり、佐渡島はダミーとも見られる。
 演習では人民解放軍が首都圏にまで攻撃を行うことが想定された。通常弾頭の弾道ミサイルが羽田・成田両空港、航空基地、新潟の港等を、巡航ミサイルがダム、原発等を襲う。コマンドゥ部隊が政府中枢をターゲットにした破壊工作を首都圏で敢行する。ターゲットは日本銀行、放送施設、国家石油備蓄基地、要人暗殺等。最大のターゲットは首相官邸である。人民解放軍の三個中隊が首相官邸へ、五個中隊が国会議事堂へ投入される。官邸には官邸警備隊がいるが、保有武器は機関拳銃のMP5に過ぎない。国家中枢が麻痺することは自衛隊の作戦に重大な影響を及ぼす。首相官邸を防御せよ!それこそが人民解放軍との戦いにおける自衛隊の最も重要な任務となる。
 人民解放軍は毒ガスのなどの化学兵器や、T2−マイコトクシンなどの生物兵器も使用する。被害は想像を絶する。日本国民の厭戦気分を高めさせ、戦争継続能力を妨害することにも、目的がある。サイバー攻撃も行う。すべての戦闘は、佐渡島を完全奪回するまで約3週間続く。
 軍事演習の最中、陸上自衛隊やアメリカ陸軍の幹部の間では、幾度も『リアルなシナリオ』という言葉が飛び交ったと伝えられる。
 この演習は、戦後初めて、自衛隊が主体となって戦い、アメリカ軍は支援を行うという形が採られた。また今回初めて、陸上自衛隊のトップである陸上幕僚長が作戦上の最高司令官とされた」

 大意上記のような記事なのだが、佐渡島については、中国が占拠、日米が奪回という作戦の演習が行われていたことによって、中国が新潟・佐渡を狙っているという推測が、単なる空想ではないことが裏付けられた思いである。
 だが、記事が佐渡を取るために中国が首都中枢・首相官邸までを攻撃すると書いている点については、疑問がわく。一体、このシナリオにおける人民解放軍の戦争目的は何かである。首都中枢への攻撃は、単に佐渡を取るために国家中枢をマヒさせたり、国民に厭戦気分を高めさせたりするためではなく、日本そのものを支配するためだろう。そう考えると、佐渡またはそれをダミーとする南西諸島への攻撃は、それらの島嶼を略取することが戦争目的ではなく、戦争目的は日本を支配することであり、そのための第1段階としての島嶼部侵攻と位置付けられる。
 私はこのような疑問を抱くので、文春の記事が日米合同軍事演習のシナリオをどこまで正確に伝えているか、報道にリークしてない重要な部分があるだろうと推測する。
 以下は、『週刊文春』の記事の抜粋。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
●『週刊文春』(平成27年4月2日春の特大号)

 

記事名「『首相官邸』を中国特殊部隊から防御せよ!」より抜粋

 「昨年末、さまざまな意味で『戦後初』となる画期的な日米合同演習が極秘で行われた」
 「2週間以上にわたって中国の動きにあらゆるシーンでどう対応すべきか、演習が行われた」
 「『これほど可能性の高いシナリオに沿って演習を行ったのは、間違いなく戦後初めてです』(日米安全保障関係者)」
 「『自衛隊が主体となって戦い、アメリカ軍はあくまで支援に回る形が採られていた意味で、画期的な演習だった』(自衛隊OB)」
 「想定されたシナリオは、佐渡島奪回作戦だった。『日本海の海底油田の独占を図った人民解放軍<特殊任務旅団>の20個の特殊任務中隊が、作戦拠点として新潟県西部の佐渡島を占領、実効支配したという想定です。それに対して、日本は、邦人救出と国民保護法の稼働によって約5万8千人の島民を避難誘導。そして日米軍による奪回作戦が行われた、とのシナリオに沿って演習が行われました』(日米安全保障関係者)」
 「実は隠されたシナリオは南西諸島の奪回作戦なのだ」「シナリオは佐渡島奪回にとどまらない。その後、人民解放軍が首都圏にまで攻撃を行うことが想定されている」
 「事前に違法入国していた人民解放軍の『コマンドゥ旅団』のコマンドゥ部隊が、日本政府中枢をターゲットにした破壊工作を首都圏で敢行する」
 「コマンドゥ部隊が、大量破壊兵器を使用。毒ガスなどの毒性化学物質を用いた化学兵器攻撃と、ウイルスや細菌を使った生物兵器攻撃が行われる。コマンドゥ部隊はそれらの兵器を手に、国家中枢機能への直接攻撃を行う」
 「コマンドゥ部隊のうち、三個中隊が首相官邸へ、五個中隊が国会議事堂へ投入される。官邸には官邸警備隊がいるが、保有武器は機関拳銃のMP5に過ぎない」
 「同シナリオでは首相官邸こそが最大のターゲットとされた。国家中枢が麻痺することは自衛隊の作戦に重大な影響を及ぼす。首相官邸を防御せよ!――それこそがコマンドゥ部隊との戦いにおける自衛隊の最も重要な任務となる」
 「コマンドゥ部隊が生物兵器を使用するのは、日本部隊が前述の<佐渡島奪回作戦>を行った直後のことだ。後方攪乱のために準備される作戦である。そして<佐渡島奪回作戦>の進捗に合わせて、生物兵器のターゲットは拡大される。国家中枢施設の他に、渋谷、新宿、池袋、東京といった膨大な市民が行き交いする各駅や各地の浄水場でも『T−2マイコトクシン』を噴霧器で拡散。さらに炭疽菌やリシン(潜伏期間は約1日と長いが、使いやすく致死性がある)の攻撃も想定されている。生物剤や化学兵器の被害は、想像を絶する。直接的な被害はもちろん、精神的なダメージも甚大だ。日本国民の厭戦気分を高めさせ、戦争継続能力を妨害することにもう一つの目的がある。シナリオには、放射性核物質の拡散や原発施設への攻撃、さらにサイバー攻撃までもが記されている」
 「すべての戦闘は、佐渡島を完全奪回するまでの約3週間続くとしている」
 「軍事演習の最中、陸上自衛隊やアメリカ陸軍の幹部の間では、幾度も『リアルなシナリオ』という言葉が飛び交ったという」
 「今回は初めて、陸上自衛隊のトップである『陸上幕僚長』が作戦上の最高司令官となっているのだ」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
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補説 (3)安保法制つぶしを中国が工作か?

 

平成27年6月4日、国会で安保法制の審議が行われてい最中、衆院憲法審査会が開催され、参考人の憲法学者3名がそろって集団的自衛権の行使は「憲法違反」とした。自民党が推薦したのが早大教授の長谷部恭男氏と知って、私はすぐ同党憲法改正推進本部長の船田元氏の甘さ、官僚による政治家の操縦を思った。また、背後で外国勢力が工作活動をしている可能性が思い浮かんだ。その上、政権を揺るがす年金情報の漏えいが、サイバー攻撃によってなさえていた。――ー独立総合研究所社長の青山繁晴氏によると、どうも私が思ったことは、単なる推測ではなさそうである。

6月12日午前9時からのニッポン放送のラジオ番組における青山氏の発言を書き起こしたものを転載する。

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青山繁晴「で、この話でもう一度申しますとね、自民党から、一回も話はないわけですよ」

飯田浩司(ニッポン放送アナウンサー)「ええ」

青山繁晴「で、僕は、まあもちろん記者出身なんでその経緯をもう一回調べたら、国会で証言したあとももう一度調べてみたらですよ、ありとあらゆる証人は、つまり、役所に全部丸投げされてて

青山繁晴「ね。そして、今回で言うとですよ、今回も、何とその船田さん、責任者の船田さん、ね、
自民党でかつてホープと言われた船田さんも含めて、誰が国会に現れるかを知らないですよ。役人に任せたまま」

飯田浩司「当日まで知らないと…(苦笑)」

青山繁晴「それで、その(長谷部教授を)推薦した、つまり役所の中に、中国の手が入ってるんですよ

飯田浩司「ほう〜」

青山繁晴「それを僕は火曜日(69日)に、これあの、インテリジェンスにも関わってる人だから、名前は拷問されても、あの、生涯言いませんけれど、火曜日に早朝会った時に、つまり人目を避けて早朝会った時に、これ、そもそも、役人推薦なのが間違いだけれども、この推薦した役所の中に中国の手が入ってると、僕は、証拠もあるって言ったら、この政権中枢は、当然否定すると思ったら、その通りですと言ったですよ」

青山繁晴「ええ。だから、中国による、倒閣運動が始まってて

青山繁晴「で、今回の、その、日本年金機構に対するハッキングも、これは、あの、実は日米の捜査当局は、中国人民解放軍系の、解放軍が直接やるとヤバイから解放軍が雇ったハッカーが、やった形跡があるとすでに見なしてて、一切公表されてないけど、今後も公表されないかもしれないけど本当はそういう、インテリジェンスが間違いなくあるわけですよ」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 

 最後の部分で「日本年金機構に対するハッキング」と青山氏が述べているのは、年金加盟者約125万人の個人情報が何者かによって漏えいした事件を言う。第1次安倍内閣は年金問題で窮地に追い込まれ、安倍首相が体調を理由に辞任したことで、総辞職となった。年金問題は、政権のアキレス腱であり、安倍政権打倒を狙う勢力がサイバー攻撃を行った可能性が指摘されている。ージの頭へ

 

第2部 安保法制の課題取り組みを加速しよう

2016.5.27

 

1.新法制には多くの課題がある

●課題への取り組みの加速を

 

私は、平成27年(2015)6月、安全保障関連法の国会審議中に本稿の第1部「安全保障関連法制の整備を急げ」を書いた。安保関連法は、平成27年(2015)9月、自民、公明両党などの賛成により可決、成立した。6か月の周知期間を置いて、平成28年(2016)3月29日に施行された。

集団的自衛権の限定的行使が可能になったことなどにより、日米同盟の対中国・対北朝鮮の戦争抑止力は強化され、日本の防衛体制はより強固となった。自衛隊が国際社会の平和と安定に貢献する活動の幅も格段に広がる。日本の安全保障体制は、歴史的転換点を迎えた。
 だが、安保関連法には欠陥も多く、実効性を高めるには多くの課題がある。中国による尖閣侵攻や朝鮮半島有事、中東複合危機の深刻化等に備えるために、課題取り組みの加速が必要である。
 安保関連法は、自衛隊法や武力攻撃事態法など10本をまとめて改正した「平和安全法制整備法」と、他国軍の後方支援のため自衛隊の海外派遣を随時可能にする新法「国際平和支援法」の2本で構成されている。
 新法制は、あらゆる事態に対応し、国家と国民の安全を守る防衛体制を構築することが目的だが、成立から施行までの6か月の間にも、東・南シナ海における中国の「力による現状変更」の動きや、北朝鮮の核実験の強行、長距離弾道ミサイル発射などが相次いでいる。新法制で起こりうる事態に即応できるかどうか、現状では疑問を禁じ得ない。概要と課題を有事、有事と平時の中間的な事態、平時の3段階に分けて述べる。

●有事の対応

 現在わが国にとって最も起こりうる有事は、中国が尖閣諸島を軍事力で侵攻した場合と、北朝鮮がわが国にミサイル攻撃を行った場合である。日本の有事では、これまで日本が直接武力攻撃を受ける武力攻撃事態での個別的自衛権しか認められていなかった。だが、新法制では、集団的自衛権の限定的行使が可能になった。米国など「密接な関係にある他国」に対する武力攻撃が発生し、日本の存立が脅かされるなど3条件を満たせば、集団的自衛権を行使できる。集団的自衛権の限定的行使の容認によって、自衛隊は米軍などの外国軍と互いに守り合える。それによって日米同盟の絆が強化され、戦争抑止力が高まった。
 だが、実際に日本を守る米軍が第三国に攻撃を受けた場合、わが国は自衛隊が武力を行使して援護するかどうかの判断をしなければならない。集団的自衛権の行使は「日本の存立が脅かされ、国民の権利が根底から覆される明白な危険がある」場合に限定している。こうした制約条件は世界で最も厳しい。「根底から」とか「明白な」といっても、その基準は明確ではない。小田原評定で判断が遅れれば、わが国は重大な損害を被る恐れがある。

●平時と有事の中間的事態の対応

 次に、有事と平時の中間的な事態の一つとして、グレーゾーン事態がある。グレーゾーン事態は、自衛隊に防衛出動が命じられる有事ではないが、治安維持を担う警察や海上保安庁による対処では不足する事態である。例えば、(1)武装集団による離島への不法上陸・占拠(2)外国軍艦の日本領海への侵入、(3)公海上での日本の民間船舶への攻撃などの場合である。わが国を取り巻く現在の情勢では、こうした事態が起こる可能性が高まっている。
 グレーゾーン事態への対処のために、政府は27年(2015)5月、自衛隊の治安出動や海上警備行動を迅速に発令するため、電話による閣議決定を導入することを決めた。意思決定の迅速化はよいとして、重要なのは実際にどのように対処するかである。
 中国による尖閣諸島への侵攻は、軍隊ではなく武装集団による離島への不法上陸・占拠という方法で開始されることが考えられる。治安出動や海上警備行動は警察権の一環であるため、自衛隊の武器使用は制約され、武装組織に十分な対応ができないだろう。国土防衛に有効な対応ができるように、対処法を整える必要がある。

平時と有事の中間的事態には、重要影響事態もある。重要影響事態とは、従来朝鮮半島有事や台湾海峡有事などを想定していた周辺事態の概念を改めたものである。放置すれば日本への直接の武力攻撃に至るおそれがある事態を意味する。

新法制は、重要影響事態における自衛隊の他国軍への後方支援には、地理的制約がないことを明確にした。また、他国軍への弾薬提供や発進準備中の戦闘機への給油などの後方支援が可能である。日本のシーレーン(海上交通路)に位置する南シナ海やインド洋、中東でも重要影響事態が認定される可能性がある。

これもかかる事態が発生したとき、実際にどう対処するのかの具体化が必要である。特に北朝鮮の核実験の強行、弾道ミサイルの発射実験が続き、米国・韓国と北朝鮮の緊張関係が高まっている現在の状況において、朝鮮半島有事にどのように対処するか、速やかに具体化されなければならない。防衛当局や自衛隊は、そのための研究・準備を進めてきているだろうが、政治のレベルで適切な装備、人員、予算、訓練等がかのうにしなければならない。また、わが国はあくまで後方支援であるので、米軍支援を充実させる日米物品役務相互提供協定(ACSA)の改正も必要である。

 

●平時の対応

 

次に、平時における対応として、まず海外の邦人救出がある。現在の世界では、いつどこでテロリストが日本人を拘束する事態が生じても不思議ではない状況になっている。それに対し、速やかに有効な対処ができるようにすることが課題である。

平成25年(2013)1月のアルジェリア人質事件を機に、政府は自衛隊による在外邦人の輸送について従来の航空機や艦艇だけでなく、陸上輸送を可能にした。新法制では、これに救出任務を追加した。ただし、救出任務の実行には、当該国の同意のほか、当該国の権限がその地域に及んでいることなど3つの要件を満たさなければならない。また、要件を満たした時に、自衛隊が邦人を救出できるようにするには、自衛隊の対処に法的な根拠を定め、必要な武器使用権限を与えることが不可欠である。

  また、平時における別の対応として、自衛隊の国際平和支援活動がある。自衛隊による国際貢献については、他国軍の後方支援のための自衛隊の海外派遣を随時可能とする新法が施行された。新法施行によって、自衛隊は事前の訓練や検討ができ、任務を安全に遂行できる。ただし、支援実施には国会の例外なき事前承認を必要とする。事前承認を要件とすることは無制限に支援を広げることのないようにするために欠かせないが、逆に急ぎ実行すべきものに対して、国会休会中などに速やかな承認が可能なのか疑問が残る。

 新法制では、国連平和維持活動(PKO)に参加する自衛隊が武装勢力に襲われた非政府組織(NGO)を救助する「駆け付け警護」や、平時から米艦を守る「武器等防護」なども実施できる。ただし、政府は夏の参院選への影響をにらみ、当面はこうした任務を見送る方針だと報じられる。

だが、その間にも、駆け付け警護や武器等防護を求められる事態が発生する可能性がある。政局的な判断で、検討すべき課題を棚上げするのではなく、議論と準備の積み重ねが必要だろう。ージの頭へ

 

2.安保関連法廃止運動に惑わされるな

 

●野党やメディアが法廃止を主張

 

わが国の安全保障関連法には、欧米や東南アジア諸国をはじめ世界59カ国が支持や理解を示している。そのことは、安保関連法が他国を侵攻するための戦争法などではないことの証である。中国や北朝鮮が一方的に軍事的緊張を高めるアジア情勢において、日本が防衛法制を改めることは、アジアの平和と安全に寄与するものとなる。また、地球の平和と安全のために、日本は世界の多くの国々から積極的な貢献を求められている。

ところが、最大野党の民進党は、共産・社民・生活と一緒になって安保関連法を「戦争法」と決めつけている。街頭で安保関連法廃止を訴え、本年(平成27年)夏の参院選の共闘の旗印としている。マスメディアの多くも、世論を操作するような報道を繰り返している。だが、野党5党は安保関連法の廃止法案を国会提出しながら、民進党幹部は国会での審議入りを強く求めることなく、安保関連法の施行となった。もし審議入りした場合、民進党と他の3党の安保政策の不一致が露呈するだろうから、敢えて審議入りを求めなかったと見られる。

 安保関連法に反対する政治家やジャーナリストは、戦勝国から押し付けられた憲法によって非武装平和主義を理想として植え付けられ、中国・韓国・北朝鮮によって反日思想を吹き込まれている。中には、中国や韓国・北朝鮮の代弁者となっている者もいる。国民は、彼らの言論に惑わされることなく、日本の平和と繁栄のために、真に必要なことは何かを考えなければならない。

 

●具体的な防衛体制強化の動き

 

 新法制の施行により、自衛隊の活動は質量ともに拡大され、高度な即応性の確保と米軍との強い連携が期待される。だが、27年(2015)9月の安保関連法成立後、自衛隊をどのように活用していくか、装備・人員・予算をどう整えていくかの検討は、まだ不十分である。政府は今後、隊員に対し新法制の内容を周知するとともに、任務遂行に必要な訓練内容の検討を本格化する。米軍と自衛隊の協力に関する日米協議や、武器使用の手順などを定めた部隊行動基準(ROE)の策定も進めるという。

 東シナ海での中国の脅威が拡大するなか、具体的な動きが報じられている。その事例の一つを記す。

安全保障関連法が施行される前日の3月28日、防衛省は、南西諸島の防衛力強化のため、日本最西端の沖縄県・与那国島(与那国町)に陸上自衛隊の駐屯地と沿岸監視隊を創設した。沿岸監視隊は対ロシア警戒で北海道に2つ配置しており、与那国島は3か所目となる。

与那国島の部隊は約160人で編成され、周辺の海や空で活動する船舶や航空機をレーダーで監視する。監視隊は地上レーダーで数十キロ先までの主に海域を警戒し、レーダーが艦艇を探知すれば、隊員が高性能双眼鏡で種別を確認する。与那国島の北方約150キロには尖閣諸島(同県石垣市)があり、中国公船が領海侵入を繰り返している。今度は、それらが与那国島周辺に接近すれば探知できるようになる。

監視隊は実戦部隊ではない。だが、有事の際、拠点となる駐屯地があれば、部隊や装備を即座に緊急展開させることが可能となる。

 政府は南西地域の離島で防衛力強化を図るため、沖縄県の宮古、石垣両島や鹿児島県の奄美大島でも陸自の実戦部隊を配備することも計画している。

産経新聞平成28年3月28日付の半沢尚久記者の記事によると、陸自は宮古・石垣両島に有事で初動対処にあたる警備部隊と地対空・地対艦ミサイルを配備する方針である。奄美大島にも同様の部隊を置く。これらがそろえば当面の南西シフトは完了する。

 ただし、課題もあると半沢氏は指摘する。与那国島の港は水深が浅く大型艦艇は接岸できない。実戦部隊を送り込むにはホーバークラフト型揚陸艇(LCAC)での輸送も必要で、訓練により上陸方法を確認しておくことが欠かせない。また、南西諸島全体で本土からの増援を含めた部隊をだれがどのように指揮するかも定まっていない。陸自の洋上目標捕捉システムでは地対艦ミサイルの射程を生かし切れない。より遠方にいる敵艦艇の位置を把握できる海自・空自との情報共有も不可欠であり、訓練と検証を重ね、実効的な態勢を整えていくことが求められる、と。

 具体的な防衛体制の強化を着実に進めていくことが必要である。ージの頭へ

 

3.好機をとらえて憲法の改正を

 

●本来の課題を成し遂げよう

 

安保関連法の施行は、わが国の安保政策の大きな前進となった。だが、本来の課題である憲法改正を早期に実現しなければ、日本の平和と安全は守れない。

 日本の主権と独立、国民の生命と財産を守るため、国益を第一とした判断がされねばならない。また、集団的自衛権の行使も、自衛隊の海外活動も、国会の承認を必要とする。国会の承認ということは、最終的には国民の意思によるということである。
 国際環境は、ますます厳しくなっている。ただ平和を祈っていれば、中国も北朝鮮も攻めて来ず、イスラーム過激派も日本人にテロを起こさないのではない。国民が自ら国を守るという意思、そのために必要な取り組みをするという努力が必要である。その意思を欠き、取り組みもしない国民は、日本の富や技術を狙う勢力によって攻めこまれ、他国に支配・略奪され、滅びの道をたどるだろう。
 第1部の最後に書いたことの繰り返しになるが、日本人は滅びの道へ進みたくなければ、自ら自国を守るという意思を持ち、国を守るための努力をしなければならない。そのために、為すべき課題が憲法の改正である。
 当面できることとして安保法制を整備して国防を強化し、戦争抑止力を高め、いざという時には適切な対処ができるように一歩前進はできた。そのうえで、できるだけ早く憲法を改正し、国家を再建して、日本の平和と繁栄を守る体制を確立しなければならない。
 現行憲法のもとでは、国防を米国に大きく依存しているので、米国に協力しないと、中国・北朝鮮が侵攻したときに助けない、と言われると協力せざるを得ないことになる可能性がある。米国追従ではなく、主体性が大切である。またその主体性を発揮できるように、憲法を改正し、いざとなったら米国に頼らずに国を守ることのできる国になる必要がある。
 本年(平成28年)夏の参院選で改憲勢力が多数を占めれば、秋の国会に憲法改正案が提出される。各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国民に発議される。発議後、6か月以内に国民投票が行われる。平成29年の早期までに国民投票を実施することが、改憲派の目標となっている。これがいま最も順調に行った場合の最速のスケジュールである。
 厳しい国際環境で、日本の平和と安全を守るには、政治家のレベルアップとともに、国民のレベルアップが必要である。日本人は日本精神を取り戻し、憲法を改正して、日本の再建を力強く進めよう。
ージの頭へ


関連掲示

・拙稿「憲法第9条は改正すべし

・拙稿「集団的自衛権は行使すべし

・拙稿「『フランス敗れたり』に学ぶ〜中国から日本を守るために

・拙稿「核大国化した中国、備えを怠る日本〜日中戦後のあゆみ

・拙稿「中国の日本併合を防ぐには

・拙稿「尖閣を守り、沖縄を、日本を守れ

・拙稿「新潟・佐渡が中国に狙われている

 

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