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211-42   政治・経済・社会

                       

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北朝鮮の脅威に対応するため憲法改正へ〜平成29年衆院選は自民圧勝、改憲勢力が8割に

2017.10.25

 

<目次>

はじめに

1.北朝鮮のミサイル実験とマスメディアの偏向

2.衆院解散総選挙の断行へ

3.台風の目となった希望の党

4.公示前の段階で、希望の党が失速し始めた

5.公示前の選挙結果予測の例

6.党首討論等で小池氏はさらに失速

7.希望の党は首班指名者を明らかにせず

8.安倍自民党は9条3項に自衛隊を明記と公約

9.序盤戦の選挙結果予測

10.衆院選の最大の争点は、北朝鮮への対応

11.立憲民主党は「リベラル」ではない

12.衆院選終盤情勢で、自民大勝と大方が予測

13.アベノミクスの成功は明白、その継続・拡大が生活向上・日本繁栄の道

結びに〜日本国民の多数は賢明な選択をした

 

 

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はじめに

 

平成29年10月22日に行われた衆議院議員解散総選挙は、北朝鮮の脅威にどう対応するかという直面する危機の中で行われた。

結果は自民圧勝となった。今回の選挙の結果は、安倍晋三政権が信任され、北朝鮮への圧力強化、消費増税の使途変更、アベノミクス、憲法改正などの政策が支持されたと見られる。

自民党284議席、公明党29議席で与党が313議席を獲得した。総定数465議席のうち憲法改正の国会発議に必要な3分の2となる310議席を超えた。これに新設の希望の党の50議席、日本維新の会の11議席を加えると、いわゆる改憲勢力は374議席である。実に80.43%になる。
 希望は公示前の議席を減らして完敗した一方、新設の立憲民主党が躍進し、約3倍増の55議席で野党第一党になった。共産党は12議席、社民が2議席で、護憲勢力は合わせて69議席である。このほかに諸派・無所属が22議席あり、その多くは野党系だが、個々の改憲・護憲は不明である。

北朝鮮の脅威にどう対応するかという直面する危機の中で行われたこの選挙を振り返って、まとめを行う。

 

1.北朝鮮のミサイル実験とマスメディアの偏向

 

今回の衆院選は、極めて大きな意味のある選挙だった。その概要を振り返りたい。

まず最も重要なことは、北朝鮮の脅威に対抗するために、この選挙は行われたことである。

平成29年に入って、北朝鮮はミサイル実験を繰り返した。米国本土に届く能力を獲得しようと躍起になっていると見られた。米国では、1月20日共和党のドナルド・トランプが大統領になり、北朝鮮に強硬な姿勢を示し、米朝間の緊張が高まっていった。わが国にとっては、重大な事態である。そうした中、左翼やマスメディアは、大阪の学校法人である森友学園の問題を執拗に取り上げて、安倍晋三首相の疑惑を追求し、国会は2か月以上空転した。

森友学園の問題については、拙稿「森友学園問題〜何が本当に問題なのか」に書いた。29年3月私は、この拙稿に次のように書いた。「今国会における民進・共産・自由・社民の議会戦術、それに呼応した多くのマスメディアの報道姿勢は、米国トランプ政権が日本と連携を強化しつつ、北朝鮮・中国に厳しい姿勢を示している中、わが国に迫りくる朝鮮半島情勢の危機から国民の目をそらし、国内を分裂させることで、北朝鮮や中国を利するものとなっていると思う。背後に北朝鮮や中国の対日工作があることが推測される。民進・共産・自由・社民の野党4党は、中国の指示を受けて行動しているか、中国に協力しようとしているか、日本の政党として根本的な姿勢が疑われるのである」と。

4月になっても左翼やマスメディアが森友学園の問題を執拗に取り上げて、安倍首相を追求した。そうしたなか、安倍氏は自民党総裁として、29年5月3日に、2020年に新憲法施行という目標を明言した。また、憲法9条の1項、2項目はそのままにして、3項に自衛隊を明記するとう案が提示された。これをきっかけに憲法改正に向けた議論が活発になった。また、それに対する妨害も激しくなった。

5月3日以降、左翼やメディアは執拗な政権批判を行った。森友学園の問題加えて、愛媛県今治市に新設される大学獣医学部をめぐる加計学園の問題、また防衛省におけるPKOの日報の問題等が、連日執拗に取り上げられ、安倍政権の支持率は、わずか2か月ほどの間に20ポイント以上も下がった。この政権批判は、政権の支持率を下げることで憲法改正を阻止し、また北朝鮮・中国からの国防の整備を妨害しようとするものと見られた。

さらに今後、憲法改正の議論が活発になれば、左翼や在日外国人、偏向したマスメディアの妨害はさらに激しくなると思われた。特にマスメディアの影響が重大である。

マスメディアには政治的な中立性、事実関係の正確な報道が要求される。今や偏向したマスコミは表現の自由を盾にして、都合の悪いことは報道せず、自分たちの思想を大衆に吹き込むためにやりたい放題になっている。マスコミの横暴を許せば、国の進路を誤る。視聴者や政治家が偏向した報道は許さないという明確な意思表示をし、偏向した姿勢を正していくことが必要である。

そのための方法としては、まずマスメディアの偏向した報道に関して、法律で規制をかけることがある。英・米・独・仏・韓には、訂正放送の命令制度があるが、日本にはない。放送法の検討が必要である。次に視聴者としては、テレビ局やスポンサーに抗議をする方法がある。スポンサーが視聴者の反応を見て、スポンサーを降りることがある。新聞については、偏向した新聞は買わないことである。発売部数が落ちると、新聞社は記事内容を調整する。特に広告主が広告を出さなくなると、広告収入が落ちるので、ダメージが大きい。

日本のマスコミには、在日韓国人・中国人等が多く入り込んでいる。マスメディアが左翼的・反日的に偏向しているのは、そのことも要因となっている。NHKには多くの外国人職員がいる。採用案内に国籍を問わないと明記している。国営放送、公共放送を持っている国では、放送局は外国人を職員に採用しない。放送局には重要な情報が集まる。外国人がそれを局内で収集できることは、安全保障上危険である。NHKは、国会で外国人職員は何人かという質問を受けたが、実態を明らかにしていない。受信料を払っている視聴者として、実態の公表を求めていく必要がある。TBSは、採用に在日枠を設け、在日韓国人等を多く採用してきたことで知られる。そうした職員が局の要職につき、制作や編集を決定する権限を持っていると見られる。例えば、TBSの『Nスタ』のディレクターは、生粋の韓国人の朴眞煥氏である。最大手の広告会社・電通には各放送局の担当者がいるが、TBSを担当している電通の営業マンは6人の内4人は朝鮮半島系で日本人ではない。当然、韓国を厳しく批判する番組は制作されない。

 多くのマスメディアの報道番組が偏向している理由の一つとして、29年に入って、一つの制作会社が日テレ、フジ、TBS、テレ朝の16番組以上を制作していることがわかった。その会社は泉放送制作といい、TBSの元演出プロデューサーが、昭和40年(1965年)に設立したもの。これまで「筑紫哲也ニュース23」や「サンデーモーニング」等、偏向した番組を制作してきたが、今やその会社が4つの局の16番組を制作している。朝から晩まで、局は違っても、同じような内容のニュース番組やワイドショーをやっているのは、このことも原因していると見られる。

 マスコミに入り込んで強い影響力を振るっている在日韓国人・中国人の存在を明らかにするには、通名使用の禁止という方法がある。中国人の日本への帰化が急増している。日本国籍を取る外国人については、日本への忠誠義務を課し、日本人に成りすまして日本を破壊する活動を防がねばならない。(クレジットカードの契約より、日本国籍を取る方が簡単) 国会議員の中にも、相当数、反日的な帰化人がいると見られる。蓮舫氏のように二重国籍の議員もいる。国政選挙に出る候補者には三代前まで出自を明らかにすることを義務付けることなど具体的な方策が必要である。

 左翼や在日外国人、偏向したマスメディアの背後には、中国、韓国、北朝鮮などの外国勢力があると見られる。彼らの謀略を跳ね返して、日本の改革を推し進めるには、日本人が日本精神を取り戻して、一致団結することが必要である。

 なかでもマスメディアの多くは、29年に入って、なりふり構わず安倍政権の支持率を下げ、憲法改正を妨害し、また北朝鮮や中国の動きから国民の目をそらそうとしてきたと見られる。ページの頭へ

 

2.衆院解散総選挙の断行へ

 

平成29年7月4日、28日に北朝鮮は、相次いで大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験を行ってICBMを完成し、ほぼ米本土を射程圏内に収めたと見られる。日米等専門家の多くは、これほど急ピッチで北朝鮮が開発を進めることを予測できていなかった。

8月8日の米紙ワシントン・ポストは、米国の国防情報局(DIA)が、北朝鮮は既にICBMに搭載できる小型核弾頭の製造に成功しており、北朝鮮が保有する核兵器は最大60発と見ていることを報道した。この報道があった日、トランプ大統領は、「北朝鮮はこれ以上、米国にいかなる脅しもかけるべきでない。(さもなければ)世界が見たこともないような炎と怒りに見舞われることになる」と述べ、武力行使の構えを示して強く警告した。

これに対し、翌9日、北朝鮮の朝鮮人民軍戦略軍司令官は、中長距離弾道ミサイル「火星12」で「グアム島周辺への包囲射撃を断行する作戦案を慎重に検討している」と発表した。

米国は、外交による解決を図りつつ、軍事行動も辞さない姿勢を示した。8月21日から31日にかけて、米韓合同演習を行った。その最中の8月29日朝、北朝鮮がミサイルを発射し、北海道上空を通過して襟裳岬より東1180kmの太平洋上に落下した。多弾頭ミサイルの実験だったという見方が有力になっている。さらに、9月3日、北朝鮮は水爆実験に完全に成功したと発表した。広島に投下された原爆の10倍の破壊力だったと推定されている。9月15日、北朝鮮は、ミサイルを発射し、北海道上空を通過して太平洋上に落下した。飛行距離は3700kmを示し、グアム周辺に届く能力を実証した。19日、トランプ大統領は国連で演説し、「北朝鮮が米国と同盟国に脅威を与えたならば、北朝鮮を完全に破壊する」と警告した。これに対し、21日金正恩労働党委員長は自ら「米国の狂ったおいぼれを必ずや、必ずや火で罰する」と応酬した。

わが国は、米国と北朝鮮の激突が起こりうることを想定して、防衛体制を整えねばならないという必要に迫られている。

北朝鮮の核・ミサイルによる脅威が高まるなか、米国は外交による解決に努力しつつ、軍事行動も辞さないという構えである。米国は本年内(29年)には戦争準備が整い、来年明け早い時期に米国と北朝鮮が激突となる可能性が高くなっていると見られる。こうしたなか、安倍首相は、来年になると衆院選挙をする時機を逸してしまうという判断から、解散総選挙を決め、10月10日公示、22日投開票となった。ページの頭へ

 

3.台風の目となった希望の党

 

こうした切迫した国際情勢の下で行われた29年10月の総選挙において、台風の目となったのは、小池百合子東京都知事が立ち上げた希望の党だった。前年の28年7月、小池氏は東京都知事選で一大旋風を巻き起こして勝利し、自ら立ち上げた地方政党「都民ファーストの会」もまた都議会の第一党になった。

当時の経緯については、拙稿「大混戦の東京都知事選〜都民は賢明な判断を」に書いた。

小池新都知事は、長く自民党が作り上げた利権構造を打破し、東京の大改革を推進するものと期待された。ところが、知事職に就いた小池氏は、豊洲市場移転問題や2020年東京オリンピック等の重大課題に伴う問題がほとんど解決していないなかにおいて、安倍首相の衆院解散総選挙の機会に乗じて、国政に乗り出した。

9月末、小池氏は、「希望の党」の代表に就任して、新たな国政政党の旗揚げをした。これに対し、前原誠司氏が代表を務める民進党は、候補者を公認せず、立候補する者は希望の党から出るという異例の対応を発表した。民進党が希望党に実質的な合流をするということである。

私は、この時、小池氏は都知事と国政政党の代表という二足のわらじでやっていけると、本気で考えているのか、強く疑った。東京都は、豊洲市場移転問題、2020年東京オリンピック等の重大課題に取り組んでいるところである。知事職にある人間が国政に手を出しながら、片手間にやれるような仕事ではない。それとも、小池氏は都知事を辞めて、衆院選に出るつもりか。だとすれば、それは無責任極まりない。彼女に票を投じた有権者への裏切りとなる。そんな無責任な政治家に、国政は任せられない。 権力の獲得それ自体を目的とするようになってしまった小池氏の権力欲と、彼女の人気にあやかって集まる民進党系の政治家の自己保身欲。私欲が渦巻くばかりで、天下国家の大義が見えなかった。

 民進党の側では、前原代表が、衆院選に出たい者は全員、希望の党から出られるようにし、自身は無所属で立候補する意向と伝えられた。民進党から出たい者がいても公認を出さない方針と伝えられた。そんなやり方は聞いたことがない。あらゆる手段、狡知を使って、安倍政権を打倒しようという画策である。この権謀術数は小沢一郎的と思えた。さらに彼の背後に中国共産党が居て、権力欲、自己保身欲で動く政治家たちが操られているのではないかと想像された。

 29年に入って安倍政権の支持率が下がるように世論を誘導してきた多くのマスメディアは、森友学園・加計学園・PKO日報問題等に替わって、今度は希望の党を恰好の材料にしているようだった。小池氏は、入党希望者を憲法改正・安保関連法維持かどうかで選別する方針を明らかにしたが、多くのマスメディアにとっては、それでも安倍政権よりはましという考えだったのだろう。安倍政権打倒をめざし、イメージ戦略で風を起こし、大衆の希望の党への期待を膨らませ、選挙の結果を左右しようとする動きである。無党派層への影響が推測された。ページの頭へ

 

4.公示前の段階で、希望の党が失速しはじめた

 

 ここで最大の焦点となったのは、小池都知事が衆院選に出るかどうかだった。小池氏が国政選挙に出れば、前年夏の都知事選の時のような旋風が起ることが予想された。だが、それをやれば、都知事の職を辞め、都政を投げ出すわけだから、当然厳しい判断をする有権者は少なくないと思われた。小池氏は、繰り返し出馬を否定した。だが、それが本意とは思われず、状況を見て判断する構えと見られた。

 10月初め、公示数日前の段階で小池都知事は「都政でしっかり頑張る」と衆院選不出馬をあらためて明言した。出馬は100%ないかという質問にも、「最初から日本語でそう言っている」と否定した。都知事職の投げ出しという最悪の無責任は、避けられそう状態になった。都政で結果を出して、東京から日本を変えるという考えは、まっとうな姿勢だと私は考えた。

小池氏が出なければ、希望の党が今回の衆院選で昨年の都議選のように一気に大躍進する可能性は、なくなる。だが、同党は政権交代が可能な過半数をめざし、233の選挙区に候補者を擁立する方針を掲げた。全国の小選挙区で、自公と希望の争い、希望と民進系の食い合いが烈しく行われると予想された。

 10月5日希望の党は衆院選の公認候補に「政策協定書」を示し、署名を求めた。協定書には、今回の選挙公約に並べる政策が含まれていると見られた。10項目あり、次の項目が注目された。(内容は最終段階では若干修正された)

 

・安保法制は憲法に則り適切に運用。不断の見直しを行い現実的な安保政策を支持

・憲法改正支持

・消費税10%への引き上げ凍結容認

・外国人への地方参政権付与反対

 

 安倍首相は、政権を維持するため与党で過半数を目標としており、過半数を取れば、政権は安泰である。これが、かつてない危機にある日本にとって、最善の道と私は考えた。国防、経済はもちろんのこと、外交においてもそれが言える。日本だけでなく、いまや米国を含む国際社会にとっても、安倍氏が日本のリーダーであることが、協調と安定の要となっている。

  しかし、もし自公が過半数割れすれば、安倍氏は責任を取って退陣ということになる。その場合、希望を中心とした野党の結集で、立憲民主党、社民党、共産党までの連立政権を組むことは、民進党の分裂の経緯、希望の党の選別基準から見て、あり得ない。そこで、自公プラス希望ないし維新による連立政権を組む可能性が高いと思われた。その場合、安倍氏に替わって誰を首班に立てるかが最重要ポイントとなる。自民党からポスト安倍を立てるのか、少数党から党首を立てるのか。小池氏が衆院に出なければ、希望も維新も党首は地方自治体の知事ゆえ国会議員ではないから、後者の線はほぼゼロだろう。また、公明からは宗教色が強いので、国民の反発が起る。

希望の党は小池氏一人が取り仕切っている感じだった。もともとそういうタイプの政治家なのだろうが、そのうえ、右腕、左腕となる人材、肝胆相照らす腹心の同志を持っていない。側近の若狭氏は、政治家としてはいかにも経験不足だし、秘書役としてもワンマン女性社長の胸中を摑み切れていない。昨年の都議選からのわずか1年程度の付き合いにすぎない。また、小池氏は、細野氏ら民進党から早く合流した政治家を信用しておらず、重要なことを任せられないと見られた。

このような状況において、小池氏が国政に進出するまで、都民ファーストの会のマスメディア向けの顔となり、同会都議団の幹事長をやっていた音喜多駿都議と、都議選以降小池氏を支えてきた上田令子都議が、同会の離脱を発表した。

音喜多氏は、離党の理由について、次のように発言した。「小池知事の政治姿勢に疑問を持った。二足のわらじが悪いわけではないが、都政は豊洲移転問題や東京五輪を控える中で、都政を片手間にして国政に手をかけることが果たして正しいのか」「小池氏は『都民』の代表を『知事に専念する』と言って都議選後に突然辞めた。国政政党をつくって代表になるのは受け止めきれない」「有権者の期待を裏切った面もあるし大変申し訳ない。掲げた政策を実現するスタンスに変わりはなく、長く知事を支えてきた私が離れるのは、よっぽどのことがあったと思っていい」と。

また、都民ファーストの会について、次のように発言した。「意思決定のプロセスが不明瞭でブラックボックスな状態になってしまっている。言論規制もあるし、メディアで自由に発言できない。会派運営が未成熟。国政に手をかけるのは順番が違う」と。

上田令子都議も、「(都民ファーストは)各都議から毎月、政務活動費15万、党費は6万円が徴収されている。毎月15万、55人で1千万に近い政務活動費は、まさに血税。いくら払うのかどういう契約なのか説明がないのは、まさにブラックボックス」と語った。こうした発言が実態を暴露したものであれば、小池氏を代表とする希望の会が、同じことを繰り返すことが予想された。

 希望の党は、公示前に失速し始めた。ページの頭へ

 

5.公示前の選挙結果予測の例

 

10月6日、私は公示前の選挙予測をブログで紹介した。

私は近年、選挙のたびに週刊文春の予測記事に注目して、ブログで紹介している。ほかの週刊誌、新聞社、通信社の予測に比べ、なかなかよい予測をしてきた実績があるからである。週刊文春は、29年10月12日号に「自民74減 希望101 10・22総選挙 全選挙区289完全予測」と題した記事を掲載した。公示5日前に発表した予測だったが、自民214議席、公明34議席、合計248議席というものである。自民党は74減らして、単独過半数割れとなり、公明と合わせて、過半数を「やっと確保」という厳しい井内容だった。

  この予測記事は、政治広報システム研究所代表の久保田正志氏と同誌編集部が情報分析を行ったものである。小池都知事については出馬の可能性ありとしながら、選挙区別予想に小池氏の名前はなかった。希望は101議席と予想し、「潜在的な候補を含めると(略)120近くまで伸びます」という久保田氏のコメントが載った。民進党から希望の党への合流に反発する政治家によって急遽設立された立憲民主党の立ち上げは、記事に反映されており、比例と合わせて28犠牲を獲得と予想した。

選挙後の政局について、文春編集部は「大きく変わるのは改憲をめぐる勢力図だ。自公、維新に希望が加わり、400議席以上に膨れ上がる」と予想した。自公が過半数を失った場合に「安倍総理辞任となり、岸田文雄総裁が誕生する。ただ、自公維でも過半数を取れないと、希望を枠組みに入れざるを得なくなる。そこでクローズアップされてくるのが、小池氏とも近い石破茂首相での大連立政権です」という「政治部デスク」なる人物のコメントを掲載した。

 

  主な政党の予想議席数は、次の通り。数字は、「現有→予測」の意味。

 

・自民288→214(小選挙区220→155、比例68→59)

・公明35→34(小選挙区9→9、比例26→25)

・希望58→101(小選挙区23→63、比例35→38)

・維新14→27

・立民11→28

・共産21→22

・その他 省略

 

当時の私の分析を加えると、上記の記事の予測によれば、自民が減らす74のほとんどは、希望に43、立民17、維新に13取られる格好となる。希望は約6割増、立民は2.5倍増、維新はほぼ倍増である。自公で248という数字は、過半数を15上回るのみゆえ、希望が予想の101より15以上伸びれば、過半数割れになる。小池氏が出馬すれば、可能な範囲かもしれなかった。しかし、不出馬が確定した今日以降、希望への期待はしぼむだろうから、希望が予想より15以上議席が伸びるほどの勢いを維持できるかどうか疑問に思われた。一方、自民は、森友・加計・PKO日報問題や二回生議員の不祥事等で、左翼・反日勢力やマスメディアの印象操作で貶められたイメージを、実績と政策の提示を以て回復できるかどうかが焦点になると見られた。

  急な解散と短期間の選挙運動で決する衆院総選挙は、その時の風の発生と吹き具合で流れが大きく変わることがしばしばである。引き続き、各紙誌が出す選挙の序盤戦、中盤戦、終盤戦でさまざまな予想をウオッチした。ページの頭へ  

 

6.党首討論等で小池氏はさらに失速

 

 10月7日、ニコニコ動画の主催によるインターネット党首討論が行われた。8日には日本記者クラブの主催の党首討論会が行われた。この時点で、自民優勢の予想や自公過半数割れの予想もあり、先行きはまだ混とんとしていた。

 安倍首相が解散総選挙を決断するに当たり、自民党内の調査による選挙結果予測で30減と出た数字を参考にしたと伝えられた。それくらいの議席減は織り込み済みということだろう。楽観的な予測としては、サンデー毎日10月15日号で、選挙プランナーの三浦博史氏が「投票率が55%の場合(中略)自民党は18議席減らすものの、自公で304議席。3分の2の310議席には届かないが、過半数の233議席を優に超える」と予測した。理由は「(希望の党は)首都圏限定の盛り上がりで、地方にはあまり波及しない」と述べた。一方、週刊現代10月14・21号は、「自民がよもやの野党転落 小池総理、誕生へ」、週刊ポストは「小池新党『東京で24勝0敗』首都完封」と書いた。現代・ポストは、朝日新聞に似て、自社の願望を書いて世論を煽っている感じだが。政治・外交について、めちゃくちゃな記事を書いて大外れしても、一切懲りない雑誌なので、確信犯と思われる。

衆院選の台風の目は、依然として大勝負に出た希望の党代表・小池百合子都知事だった。小池氏は「衆院選に出ない」と明言し続けていたが、10月5日、民進党代表の前原氏との会談でも、出馬を固辞した。最初から全くその気がなかったのか、場合によっては出る気だったのが、状況を見て辞めたのかは、本人のみぞ知るところである。このころの世論調査の政党別支持率では、希望の党は自民党より約10%低く、これでは都知事職を投げ打って出馬するリスクは取れないと考えたのかもしれない。ここまで出馬を否定していて、これから10月10日の公示日までの間に、やはり出ますと前言を翻したら、人格を疑われると思われた。

当時、小池氏は、希望の党の代表として、憲法改正賛成、安保関連法維持を民進党からの合流希望者の選別の基準として打ち出していた。ところが、同党の衆院選第1次公認名簿を見ると、安保関連法案に反対した議員がゴロゴロいた。小池氏は、権力の獲得・拡張のためには、自分の信念を簡単に曲げることが明らかになった。また、希望の党から公認を受けた元民進党の政治家は、私利(議席=食い扶持)のためには変節を恥じない輩がほとんどと見られた。そういう人物に国政は任せられない。詐欺師や変節漢に自分や国の運命を託すのは、愚か者のすることである。有権者は、詐欺師や変節漢の集団の術策に騙されないようにしようと、私はブログで呼びかけた。ページの頭へ  

 

7.希望の党は首班指名者を明らかにせず

 

ここで注目されたのは、小池氏が不出馬とすると、今回の総選挙で政権交代を目指すと強気の希望の党は、首班として誰の名前を挙げるのかという点である。希望の党から出すなら、前原氏か? それでは小池氏は新党を立ち上げず、民進党を自分が応援する形をとっても同じことだったことになる。有権者から見れば、民進が希望に看板を替えただけだから、前原氏が首班候補では得票は伸びない。細野氏か? 前原氏よりずっと下がる。若狭氏か? 経験不足すぎる。かつて新生党時代の小沢一郎氏が立てた日本新党の細川護煕氏のような隠し玉があるか、どうかがポイントと私には御思われた。だが、どう考えてもそのような隠し玉は、思い当たらなかった。

私は、与党の勝利と安倍氏の続投が日本にとって最善の道と信じていたが、全国の有権者の選択次第である。もし自公が過半数を割って、安倍首相が退陣という最悪の結果になった場合、自公と希望ないし維新の連立という可能性があると思われた。その時の首相候補として、希望は誰を揚げるか。安倍氏に近い岸田氏の線はないとすると、石破氏か? 希望の党から、首班候補に石破茂氏の名前が上がっていると報じられた。石破氏は「衆院選が終わった後の枠組みを今、議論しても意味がない」「選挙前にそんな話をするのは極めて不見識だ」と述べた。これに対し、評論家の八幡和郎氏が「『そういう提案があっても絶対に受けない』というべきだ。彼が少しでも可能性を残すことは、自公の票を減らし、希望の票を増やすのだから利敵行為だ」と批判した。

ここではっきり否定しない所に、石破氏の下心が表れているかも知れないと私には思われた。石破氏は、世論調査では首相候補の第1位に上がるが、自民党内では支持者が伸びず、自身の言動で孤立気味になっており、焦りの色がうかがわれた。希望側としては独自の首班候補をなかなか挙げられない事情ゆえ、逆に自民党に揺さぶりをかけていると見られた。

平成5年(1993年)、宮沢喜一内閣の時、野党が内閣不信任案を衆院に提出した。野党は自民党の反宮沢派の政治家を首班候補に挙げました。確か小沢一郎氏だったと記憶する。この揺さぶりの結果、自民党が分裂した。後に新党さきがけを結成する武村氏ら、新生党を作る小沢氏・羽田氏らが賛成票を投じ、不信任案が成立。宮沢首相は解散総選挙に打って出た。その結果、自民党は大敗した。新生党の小沢氏は非自民・非共産連立政権を提案し、日本新党の細川護煕氏を首相に擁立した。38年ぶりの政権交代となった。当時の自民党はひどかったが、他党はもっとひどかった。約2年後、混迷の中で迎えた戦後50年の年、阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件が起こった。人心の乱れるとき、天災人災こもごもいたるとは、このことかと慨嘆したことを、私は忘れない。

10月8日のフジテレビ番組で、小池氏は、衆院選後の首相指名選挙で石破氏を担ぐ可能性について「考えていない」と否定した。また、首相指名候補に関しては「全て結果を見ないといけない」と語り、選挙後に判断する意向を重ねて示した。安倍首相は「選挙はどういう政策を掲げる党に日本を託すかということもあるが、誰に託すかということも当然ある」と指摘し、「首班指名の候補者を出された方が、国民にとってより分かりやすい選挙になるのではないか」と小池氏をけん制した。

石破氏、小池氏の双方が否定しても、水面下では結ばれていそうな石破=小池ラインは、安倍政権打倒どころか、自民党分裂さえ引き起こしかねない危険性がある。北朝鮮情勢が緊張を増し、来年早々にも米朝激突となるやもしれない現在、日本にとって必要なのは、有事に対応できる政権の安定と、与野党を超えた国民の団結である。有権者は、権力への野望にとりつかれた政治家の私利私欲の画策に振り回されないようにしようと、私はブログで呼びかけた。

 小池氏は、判断ミスが続いた。その一つが、希望の党の主要政策の一つに、アベノミクスに替わるユリノミクスなる経済政策を掲げたことである。「衆院選に出ない」「都政でしっかり頑張る」と言っている小池氏が、自分の名前を冠して、日本全体の経済政策を掲げるとは、まことにおかしな話だった。

レーガノミクス等、指導者の名前をつけた〇〇ノミクスを、本人が言い出したのは、初めてだった。アベノミクスは、朝日新聞がレーガノミクスを模して安倍氏の経済政策を批判するために付けた名称で、それが肯定的な意味で使われるようになったものである。小池氏は、自分で名づけて言い出したので、よほど自分を立派に、大きく見せたかったのだろう。虚栄心の現れと思われた。

そのうえ、ユリノミクス、英語ではとんでもない意味になることが、ネット上で指摘された。urine は「尿、小便」を意味する。urinomics は、weblio 辞書を引くと、"The identification of the totality of the constituents of the urine of an organism"。「有機体の尿の成分の総体を識別すること」となる。お恥ずかしいことである。小池氏は、命名・発表前にネイティブ・スピーカーに相談して、チェックを受けるべきだった。そういうブレーンがいないのかも知れない。

小池氏は政策の説明等でカタカナ語の使用が多く、カタカナ語を知的なアクセサリーのようにして自分を飾る傾向がある。語学力に自信があるのだろうが、小池氏は全般に自信過剰になってしまっており、ユリノミクス発表は慎重さと謙虚さを欠いていた。ページの頭へ

 

8.安倍自民党は9条3項に自衛隊を明記と公約

 

10月10日衆院選が公示された。安倍首相は、この選挙を国難突破選挙と名づけた。北朝鮮の脅威と少子高齢化の2点が国難として強調された。北朝鮮の脅威に対応するには、憲法を改正し、9条に3項を加え、自衛隊を明記することが具体的に提案された。少子高齢化に対応するには、平成31年(2019年)10月に10%に増税される消費税の使途を財政赤字の改善だけでなく、一部教育の無償化に充てるように変更することが具体的に提案された。

これに対し、政権に批判的な希望の党をはじめとする野党は、安倍政権に反対し、これを倒すということが目的となっていた。安倍政権に替わって政権を担って、どうしたいのか、政策が抽象的で、確かな実現可能性が見えない状態だった。それでは、国民の多くの支持は得られない。しかも、誰を安倍首相に代わる総理大臣に立てるのかを示すことすらできていないのでは、なおさらそうである。

9条に3項を加えるという案は、自民党が平成24年(2012年)にまとめた憲法改正草案の9条の条文案とは異なる。その草案は、9条の2項を改め、自衛に関する規定を記し、9条の二、三を設け、「国防軍」を規定するものとなっている。

https://jimin.ncss.nifty.com/pdf/news/policy/130250_1.pdf

 安倍氏は、この草案を封じ、1項、2項はそのままにして3項に「自衛隊」を明記するという案を示した。具体的な条文案は示されていない。この案は、私の知る限り、加憲の立場を取る公明党が最初に言い出した案であり、民進党の現代表である前原誠司氏らも一時、主張していた。それゆえ、与野党で合意が可能な案として提示されたと考えられる。

私自身は、ほそかわ新憲法私案にて、9条の全体的な改正案を提示しており、最終的にはそのような内容を定めるべきと考えている。

http://khosokawa.sakura.ne.jp/opinion08h.htm

だが、9条を巡って国会で検討の議論すら進まないというわが国の現状を考えると、このまま今後も長くこう着状態が続き、憲法改正が一歩も進まない恐れがあるので、3項に自衛隊を明記するという案は、与野党で改正を議論し得る現実的な案として評価している。

自衛隊については、最高裁の砂川判決で合憲と判断されている。しかし、憲法学者の約7割は、違憲という見解を示している。もし違憲と主張するならば、自衛隊の解散を主張するか、憲法を改正して自衛隊を合憲にするかのどちらかしかない。だが、違憲論を唱える学者たちは、そのことについては黙っている。これは無責任である。こうした状態に終止符を打つために、9条3項に自衛隊を明記するというという狙いがあると理解される。この案は、一歩前進ではなく、半歩前進である。私なりに予想すると、3項に国防、防災と国際貢献のために自衛隊を保有するという主旨を盛ることが考えられる。その場合、2項の戦力不保持、交戦権否認の規定は、「前項」すなわち1項の「目的を達するため」という芦田修正で加えられた文言は、侵攻戦争を行うための戦力と交戦権に関するものであるという解釈を確定し、自衛のための戦力は持てることと、自衛隊はそのための戦力であるということを明確にしなければならない。従来政府は、自衛のために持てるのは戦力ではなく、最小限度の実力であり、自衛隊は最小限度の実力であって、戦力ではないという立場を取ってきた。だが、戦力も実力も英語では、force である。漢字の「戦」と「実」で文字を分けるような苦肉の策は、やめるべきである。はっきりと、自衛隊は自衛のための戦力であり、国防を主とし、防災、国際貢献も任務とすると規定する必要がある。ページの頭へ

 

9.序盤戦の選挙結果予測

 

 JX通信調査は、衆院選について、10月7〜8日に東京都内の情勢調査を行い、その結果を発表した。比例東京ブロックの投票先で希望の党と答えた人は、前回調査(9月30日、10月1日)の29%から18%に急落した。小池都知事の支持率は37%で、不支持率は54%に上った。前回調査では支持48%、不支持43%だったのが、1週間で支持・不支持が逆転した。

希望の党は、小池氏の人気あっての党であり、また東京ローカルから国政に進出した党だから、東京で支持率が大きく下がると、全国ではもっと厳しくなると予想された。

産経新聞社は、10月12日、衆院選の序盤における予測を発表した。全国の総支局の取材に共同通信社の電話世論調査の結果などを加味したものである。当時、自公、希望・維新、立民・共産・社民と分けて、三極の戦いという見方がされたので、そのようにわたくしは、産経の予測内容を整理してブログに掲載した。

 

自民党:選挙区、比例代表で優位に立ち、公明と合わせ300議席をうかがい、単独で過半数に届き、絶対安定多数(261議席)を上回る勢い。(絶対安定多数は常任委員長ポストを占め、委員数でも野党を上回る議席を確保し、国会運営が安定する)

公明党:公示前勢力を維持する見通し。

 

希望の党:100議席に届かない公算が大きい。公示前は57議席だったが、60議席前後にとどまるとみられる。選挙区、比例ともに勢いがみられない。小池氏の不出馬に加え、党として首相候補を示していないことが影響した可能性がある。

日本維新の会:関西圏を中心に議席を獲得し、公示前の14議席から微増となる見込み。

 

立憲民主党:公示前の16議席から倍増の勢い。

共産党:公示前の21議席の維持が難しい情勢。

社民党:公示前の2議席を維持する見通し。

 

自公・希望に関する上記の予測は、公示前における選挙プランナーの三浦博史氏と松田馨氏の予測に近い数字である。三浦氏は「自民党は単独過半数を獲得し、自民・公明で290議席は超える」と見ており、松田氏は「自公で300議席を超える」「希望の党は30〜55議席程度にとどまる。東京の小選挙区でも1〜3議席程度」と見ていた。

13日付の産経の記事は、次のように書いた。「共同通信の調査では投票先を『決めていない』との回答が選挙区で54・4%、比例代表で47・2%に上った。無党派層の多くが投票先を決めていないとみられ、投開票日に向けて情勢が変化する余地も残っている」と。

しばしば産経新聞と対比される朝日新聞は、10月6日に13日までの調査に基づく予想記事を載せた。それによると、自民が、獲得議席最少の場合を意味する「下限」でも267議席となる。公示前からは17減だが、単独過半数を超え、絶対安定多数となる261議席をも上回る。自民は、最多の場合を意味する「上限」だと303議席、公明と合わせると「下限」でも291議席、「上限」ならば338議席となる。予想値の中間を意味する「中心」だと、自公で315議席、自公で3分の2以上となる312議席以上を獲得と予想した。これに比し、希望は「下限」45議席、「中心」56議席、「上限」66議席と予想した。立民が、希望の伸びを抑え、公明・共産を食っている感じと見られた。朝日の記事は、「4割前後」の人々が投票態度を明らかにしていないと書いており、その人たちの心向きで、大きく変わる可能性があると見られた。

 選挙戦の序盤で4〜5割もの人が投票先を決めていないという状況だから、今後、各候補・各政党がそうした有権者にどれだけアピールできるか、マスメディアのなりふり構わぬ反安倍報道がどれだけ彼らの意識操作に効果を上げるか、無党派層の有権者がマスメディア以外にどれだけ自ら情報を集めて自主的な判断力を働かすことができるかーーこれらによって、選挙戦の結果が大きく左右されると思われた。 ページの頭へ

 

10.衆院選の最大の争点〜北朝鮮への対応

 

 10月16日、私はブログに次のような主旨の文章を載せた。

 

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 10月22日の衆院選の最大の争点は、核・ミサイルを開発し挑発を続ける北朝鮮への対応である。有権者は、この危機において、どの党の誰が日本の最高指導者にふさわしく、国政を託すことができるかを見定めて、貴重な一票を投じよう。

さて、9月3日、北朝鮮は6回目の核実験を行い、水爆実験に完全に成功したと発表した。これに対し、11日、国連安全保障理事会は新たな制裁強化決議案を全会一致で採択しました。制裁決議は9回目となりました。北朝鮮はこの決議に激しく反発し、14日国営メディアが国民の間に「取るに足らない日本列島の4つの島を核爆弾で海中に沈めるべきだ」という声が上がっていると威嚇した。米国、韓国に対しても怒りと敵意を発した。

翌15日朝北朝鮮は、弾道ミサイルを発射し、北海道上空を通過し、襟裳岬東約2200キロの太平洋上に落下した。飛行距離は約3700キロ、最高高度800キロと見られた。米国に対して、グアムにまで届くことを実証して見せたものだろう。 9月19日、トランプ大統領は国連で演説し、金正恩朝鮮労働党委員長を「ロケットマン」と呼び、「北朝鮮が米国と同盟国に脅威を与えたならば、北朝鮮を完全に破壊する」と警告した。これに対し、21日金正恩は「米国のおいぼれを必ず火で罰する」と応酬した。

わが国は、米国と北朝鮮の激突が起こりうることを想定して、防衛体制を整えねばならない。しかし、現在のわが国は、日本列島の4つの島を核爆弾で海中に沈めるという最大級の威嚇を受けても、これに軍事的に対抗することはできない。専守防衛政策に縛られ、敵基地攻撃能力を持っておらず、非核三原則によって、防衛のための抑止力としての核兵器を持つことも、自ら禁じている。北朝鮮の暴発を防ぐためには、国連で非軍事的・経済的な制裁を強化するよう、国際社会に協力を呼びかけるしかない。では、本当に効果のある制裁は可能なのか。その答えが、15日の弾道ミサイルのさらなる発射である。今後、制裁のレベルを上げても、中国・ロシアは全面的には賛同しないだろうから、平和的な手段で北朝鮮の核ミサイル開発を止めることは、極めて困難である。

わが国は、中国に続いて北朝鮮からも国家・民族の存立そのものを揺るがされる脅威を受ける状態になってしまった。国防を完備することなく平和を求める者は、アヘン患者のように滅亡するばかりである。戦勝国から押し付けられた憲法に呪縛され、これ以上、宙に浮いた理想論にとらわれていたら、日本は亡国に至る。日本の安全と生存を確保するため、専守防衛政策、非核三原則を見直すべきである。

私の意見は、10年ほど前から、拙稿中国の日本併合を防ぐにはに掲示している。第3章「日本併合を防ぐ方策」の「(5)自衛の手段としての核抑止力の検討」「(6)総合的な国家安全保障の研究を」をご参照願いたい。

 

 ところで、核時代において、主要国は核シェルターを設置している。公共用・家庭用を合わせて、国民を収容できる核シェルターの普及率は、スイス・イスラエル100%、米国82%、ロシア78%、英国67%である。これに対して、日本は0.02%! ほぼゼロに等しい状態である」。

政府は核から国民を守る気がなく、国民は核から自分を守る気がない。これが唯一の被爆国日本の現状である。

  私は、10月22日に行われる衆議院総選挙で、自民党は「核シェルターの普及」を公約に挙げ、補助金支出を打ち出してはどうかと提案していたたが、取り上げられなかった。私は、自民党の本気度を疑っている。「Jアラート」で警報を発して、地下や窓のない部屋等へ避難を、と呼びかけているだけでは、だめである。

  まず自分や家族を核攻撃から守る意識を高めること。そのための核シェルターの普及運動をする。次に、非核三原則(特に「持ち込ませず」)の見直し、ニュークリアー・シェアリング等へと、段階的に抑止力を高めるとよいと思う。

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 掲載した文章の主旨は、以上である。

 こういう重大な時に、小池百合子氏は、「安倍一強政治」を倒すと衆院選挙で訴えていた

 私は、昨28年夏の都知事選で小池百合子氏に大いに期待した。小池氏は、”都議会のドン”内田茂氏の支配に立ち向かい、世論をバックにして内田氏の勢力を一定程度、都政から駆逐した。これは、大きな功績である。しかし、これだけである。都知事の職についてからの実務においては、まだなにも実績を挙げていない。都政は、豊洲の市場移転問題や2020東京オリンピックという重大課題を抱えている。東京都は、かつてないほど重要な時期にある。ところが、彼女は都知事のポストに飽き足らず、国政への進出を企てた。

 わが国は現在、北朝鮮の核とミサイルのかつてない脅威にさられている。この未曽有の危機に、日本の首都・東京の知事がなすべきことは、総理大臣に協力して、日本を守り抜くために行動することだろう。ところが、この危機の真っ最中に、小池都知事が始めたことは、私的な野望を満たすための行動だった。

小池百合子氏は、安倍首相に対抗して権力を握りたい、女性初の総理大臣になりたいという権力欲だけで行動する政治家になってしまった。小池氏は、民進党からの合流に関し、憲法改正支持、安保関連法維持という基準を出し、その基準に従わない者は「排除します」と明言した。しかし、彼女は、この政治家の理念・信条に関わる基準を、あっさり曲げて、民進党から合流を求める者を多数公認した。政治家としての理念や信条を曲げてでも、自分の足もとに群れ集う政治家を増やし、選挙で勝って権力を取るために、有権者の票が得られそうな政策を並べ立てる策謀家。それが、都知事になって1年3か月後の小池百合子氏である。誰がつけたか「緑のたぬき」。この異名がぴったりである。

ジャーナリストの長谷川幸洋氏は、このころ小池氏について次のように書いた。

「小池氏はポピュリストの仮面をかぶった『暗黒政治家』である。希望の失速が報じられているのが、せめてもの救いだ。こんな政治家に騙されてはいけない」

理由は、希望の党には代表選がないこと、小池代表自身がブラックボックスになっていること、日本の民主的な統治原理を丸ごと無視していること。「こんな政治家に騙されてはいけない」と。私も同じように感じた。

選挙戦が中盤に入ったところで、産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)は、10月14、15両日に実施した合同世論調査の結果を発表した。比例代表の投票先は、自民32.9%に対し、希望15.0%、立民14.6%とし、後2者が拮抗している模様だった。驚くべきは、小池東京都知事の支持率である。9月16、17両日に行った前回調査で66.4%あったのが、なんと27・2ポイント減の39・2%に急落した。希望に「期待しない」が60,7%で、「期待する」の34.6%を大幅に上回った。当時「『緑のたぬき』の化けの皮がはがれた、と週刊文春が報じたとの一致していた。

しかし、希望の党の政見放送での小池代表の語りは、見事なものだった。東京都では何の実績を上げていないのに、国政についてもっともらしい数字を揚げ、効果的な表示をし、間合いやジェスチャーも見事。基礎知識の乏しい有権者は、引き込まれて説得されてしまうだろう。支持政党なしの人たちへの影響力には、侮れないものがあると思われた。ページの頭へ

 

11.立憲民主党は「リベラル」ではない

 

民進党から希望の党に多数の政治家が合流する一方、これをよしとしない政治家たちは、枝野幸男氏を代表として立憲民主党を立ち上げた。希望の党が有権者に幻滅を与えるなか、立民は支持率を上げていった。

マルメディアの一部は、立憲民主党について、希望の党に合流した政治家たちと違って「筋を通した」と評価した。だが、立民の幹部には、旧民主党・菅直人政権の要職にあった政治家が、ずらりと顔を並べていた。筋を通したのではなく、もともと曲がった筋を進んでいるだけである。立民は、日本社会党の解体によって旧民主党に移り、自民党崩れの政治家らと野合していた左翼の吹き溜まりとなっている。民進党という隠れ蓑が消えかかったので、左翼政治家が飛び出て集まったものである。親韓・親朝・親中の反日帰化人や二重国籍者らが多くいる模様である。

このような党をマスメディアが「リベラル」と呼び、立憲民主党も「リベラル」を自称するのは、大衆を欺くものである。リベラリズムには、自由を至上の価値とする古典的自由主義と、自由を中心としつつ平等に配慮する修正的自由主義がある。米国では、前者を後者と区別してリバータリアニズムともいう。後者の修正的自由主義の「リベラル」は、平等に重点を置く場合、左翼すなわち社会主義と親和的となる。

立憲民主党の主張は、後者の意味での「リベラル(修正自由主義)」ではなく、左翼の主張である。また、左翼においては共産主義ではなく社会民主主義である。党名の「民主」は、自由民主主義の「民主」ではなく、社会民主主義の「民主」である。それゆえ、中国や北朝鮮の人民民主主義と親和的であり、それらの統制主義国家の手先となって、日本の政治を進めようとしているのである。安倍政権打倒、憲法改正反対、国防強化反対は、中国、北朝鮮、韓国左派の望むことそのものである。

ところで、学者やジャーナリスト、活動家等の人たちには、基本的な用語の定義をせずに日本の政治を語る人が多く見られる。そういう風土が立憲民主党を「リベラル」と呼ぶような詐称の横行を招いていると思う。私の保守とリベラル、右翼・左翼等の定義については、拙稿「日本的な保守の役割と課題〜右翼・左翼・リベラル等との対比を踏まえて」をご参照願いたい。

ここで、民進党内の左翼の動きを見ると、同党の小川敏夫参院議員会長は、10月19日「立憲民主党、無所属、希望の党に行った人も含め、もう一度自民党に代わりうる政党として民進党を取り戻したい」と述べた。これには当然、批判が巻き起こった。

しかし、衆院選後に希望、立民、無所属で当選した議員が、民進党に合流する可能性はある。合流には法的制約がないことを、産経新聞は、19日次のように書いた。「国会法109条の2は、比例代表で当選した議員が選挙で競合した政党や政治団体に移ることを原則、禁じている。選挙区当選者の政党移籍に制限はない。しかし、同法には抜け道がある。今回の衆院選で競合していない政党、つまり一人も候補者を擁立しなかった民進党には、どの政党からも移ることができる。両党や無所属の当選者は全員、民進党に入ることが可能なのだ」と。

いったい民進党代表の前原誠司氏は、こういう道があることを知っていて、民進から希望への合流を決め、民進党としては後任を出さないことにしたのか。私は、その可能性はあると思う。政治家は法律の抜け道に通じている。そして、合法的に策謀を行うからである。

実際、希望の党には、ウソの誓約をして公認を得た候補者が多数いると見られる。選挙期間中に、希望の党の公約に反した主張を訴えたり、離党をほのめかしたりする候補者が出はじめた。選挙後、希望の党で波乱が起ることは必至である。民進では選挙に出られないので希望の看板で選挙に出て、議席が得られたら民進党に戻るという者が、何人かは出るだろう。その行動は、有権者に対する最大の裏切りとなるが、それでもやりかねない人間が、民進系の議員にはいるのである。また、そういう人間までも公認したのが、小池氏の希望の党という政党であることを、有権者はしっかり見抜く必要がある。ページの頭へ

 

12.衆院選終盤情勢で、自民大勝と大方が予測

 

衆院選終盤では、各紙誌や評論家等の大方が、自民過半数と結果を予測した。

 産経新聞社は、FNN(フジニュースネットワーク)と合同で行った電話世論調査(10月12〜15日)に全国総支局の取材を加味して、衆院選終盤情勢を予想する記事を、10月19日付の紙面に掲載した。

 

 自民党:<公示前290→最少272〜中間286〜最多300> 序盤情勢よりさらに伸長。300議席をうかがう。苦戦が予想された東京や大阪などの都市部でも優位な戦いを展開する選挙区が多い。

公明党:<公示前35→最少32〜中間33〜最多35> 公示前の35議席の維持が難しい状況。

※自公与党:<公示前325→最少304〜中間319〜最多335> 憲法改正の国会発議に必要な310議席の獲得は堅い情勢。

 

希望の党:<公示前57→最少39〜中間44〜最多52> 失速が顕著。40議席台となる可能性がある。小池代表が地盤とする東京で全滅の可能性も。結党メンバーの若狭勝氏をはじめ松原仁氏、長島昭久氏らを含めて全選挙区で苦戦。比例は30議席に届かない見通し。民進から希望に移籍した前職の中に、党の公約と大きく異なる主張を掲げる候補が続々と出始めた。「憲法9条改正」に公然と異を唱え、小池代表を批判する声まで上がる。

日本維新の会:<公示前14→最少8〜中間10〜最多12> 地盤の大阪で苦戦。議席を減らす見通し。

 

立憲民主党:<公示前16→最少46〜中間52〜最多60> 公示前の3倍以上の50議席台が視野に入り、野党第一党に躍進する勢い。比例でも希望を上回る。

共産党:<公示前21→最少14〜中間15〜最多16> 比例が伸び悩む。議席を減らす見通し。

社民党:<公示前2→最少1〜中間1〜最多2> 選挙区で1議席を固めている。

 

産経の記事は、次のように書いた。「接戦区が30選挙区以上あるほか、態度未定の有権者が5割を超える選挙区もあり、今後情勢が変化する可能性もある」と。

終盤情勢の予測の一例として掲載した。

今回の衆院選の各種予想は、公示前から中盤まで、はっきりと一定の方向への流れを示していた。自民伸長、希望大失速、立民躍進、野党食い合いである。非常に明瞭だった。問題は、投票先を決めていない4〜5割の有権者の行動である。今回のように自民単独過半数、自公3分の2以上が予想される状況では、大勢が決したと考えて自分が投票しても変わらないと棄権する人、自民が勝ちすぎないようにしようと反自民に投じる人、流れの方向に与しようと自民に入れる人など、さまざまな行動が予想された。それらがどういう割合になり、最終的にどういう結果になるかは、政治や選挙の専門家も予測できないところである。ページの頭へ  

 

13.アベノミクスの成功は明白、その継続・拡大が生活向上・日本繁栄の道

 

 今回の選挙は、アベノミクスに関する評価を問うものでもあった。自民党・公明党は成果を強調し、希望の党、立憲民主党、共産党などは与党の経済政策を批判している。外交・防衛・福祉など他の政策については、成果の数値的な把握に難しいものもあるが、経済については基本的に結果が数字にはっきり出る。

  自民党は、アベノミクス5年間の実績を次のように示した。

 

★名目GDP 過去最高 50兆円増加

493兆円(2012年10−12月期)→543兆円(2017年4−6月期)

★就業者数 185万人増加

6,271万人(2012年)→6,456万人(2016年)

★正社員有効求人倍率 初の1倍超え

0.5倍(2012年2月)→1.01倍(2017年7月)

★若者の就職内定率 過去最高

大学生93.9%(2013年4月)→97.6%(2017年4月)

★企業収益 過去最高 26.5兆円増加

48.5兆円(2012年度)→75.0兆円(2016年度)

★家計の可処分所得 2年連続で増加

292兆円(2012年)→295兆円(2015年)

★外国人旅行者数 5年で約3倍

870万8千人(2012年度)→2,482万4千人(2016年度)

 

深刻なデフレに苦しんでいた5年前には考えられないくらいの好転である。しかし、野党の多くは、こうした数値を認めず、デフレの脱却ができていない部分や、労働者の賃金が十分上昇していないこと、特に地方では景気好転の実感が薄いことなどを以て、アベノミクスを否定し、あかたもそれ以上の経済政策があるかのように訴えた。過去に実績があった政党が言うなら、耳を貸す値があるかもしれないが、何の実績もない政党がいうことは、選挙目当て、議席欲しさの言説であり、ほとんど詐欺的な弁論である。

アベノミクスについて、客観的に見て成功は明白である。例えば、イギリスの投資家で「日本は甦るか」、「日本の選択」等の著書のあるピーター・タスカ氏は、解散前の8月28日次のように語っていた。

「安倍氏が首相に再登板した2012年12月以降、日本の経済は驚くべき変化を遂げている。過去20年間、日本の名目GDPはまったく成長がなかった」。だが、「日本の今年4〜6月期の実質国内総生産(GDP)成長率は年率4%だった。先進7カ国(G7)の中で最も高い値だろう。重要なのは、成長が6四半期連続であり、かつそれぞれの期間の数値が日本の潜在成長率(0・75%程度)を上回るものであったということだ」

「14年に安倍氏を説得して不必要な消費税増をけしかけたのは、破滅論者の官僚たちだった。その結果、リフレーションの勢いは少なくとも2年停滞した。それでも、労働市場から貸出残高の伸びまで、さまざまな指標は数十年来の高い水準にある」

「安倍氏再登板後の東証株価指数(TOPIX)の年率リターンは円建てで20%、ドルベースで12%を記録。新興市場のジャスダック指数は史上最高で、円建て26%、ドル建て18%に達した」と。

 この記事は、29年8月28日のものである。その後、安倍首相は衆院解散総選挙を決めた。

 10月10日から12日間の選挙期間中、日本の株価は上昇を続けた。株価が上がるということは、世界的に日本経済への期待が高まっているということを意味する出来事だった。

10月20日東京株式市場で日経平均株価は14営業日続伸した。14営業日続伸は、高度経済成長期の昭和35年12月21日〜36年1月11日以来約56年9カ月ぶりで、歴代最長タイの連騰記録だった。終値は前日比9円12銭高の2万1457円64銭。平成8年10月以来約21年ぶりの高値を連日でつけた。

政治が国民の支持を得られるかどうかは、最終的には経済政策による。いかに高邁な理想を掲げても、いかに雄大な構想を追及しても、経済という国民の生活に直結するところで成果を上げられねば、その政権は国民の支持を得られない。自由主義国でも社会主義国でも、これは共通する。

5年前、デフレ脱却の処方箋を出した優れた経済学者が、私の知る限り数人いる。しかし、理論は理論である。それを現実の社会で実行し、結果を出すことのできる政治家がいなければ、絵に描いたモチに終わってしまう。第二次世界大戦後、先進国で唯一デフレに陥り、それが約15年も続いた日本にとって、悪質なデフレを抜け出すのは、ひどく困難な課題だった。安倍政権は、それを成し遂げつつある。5年前の日本経済の指標と比べれば、現在の状態は、ほとんど奇跡に近い結果である。だが、アベノミクスは、まだ道半ばである。日本の潜在的成長力は、底知れないほど大きく、その力を発揮するのは、むしろこれからである。デフレを完全に脱却して日本を大きく繁栄させるという、その大事業を成し遂げられるのは、この5年間の実績のある安倍政権以外にない、と私は、選挙前日の10月21日にブログに書いた。

もし総選挙で自民党が大敗し、安倍氏が退陣するという事態になったならば、この大事業はそこで終了するところだった。まず驚異的に伸長してきた株価が一気に下がることは、明白である。さらにもし政権交代が起り、野党連立政権が実現したならば、名目GDPの減少、就業者数の減少、正社員有効求人倍率の低下、若者の就職内定率の低下、企業収益の減少、家計の可処分所得の減少等が続いて起こっただろう。日本という国の富、国民の豊かさが失われ、この5年間を逆戻りする道となることは確実だった。ページの頭へ

 

 関連掲示

・拙稿「アベノミクスの金融政策を指南〜浜田宏一氏

・拙稿「アベノミクスに情報戦略の強靭化を〜宍戸駿太郎氏2

・拙稿「デフレ脱却の経済学〜岩田規久男氏

 

結びに〜日本国民の多数は賢明な選択をした

 

公示前から投開票前日まで、私は、次のような主旨のことをブログやSNSで繰り返し、呼びかけた。

 「衆院総選挙は、政権の継続か交代かを決める選挙であり、どの党の誰を日本の最高指導者とし、国政を託すかを決める選挙です。しっかり見定めて、貴重な一票を投じましょう」

 「有権者は、候補者の人物・実績・能力を吟味し、また政党の実績・政策を確認して、貴重な一票を投じましょう」

 「総理大臣の一票も、あなたの一票も同じ価値があります。自覚してうかつに投じることのないようにしましょう」

「有権者は、各政党の言っていることの真偽を見抜き、国民を欺く言説に惑わされないようにしましょう。そして、確かな目を以て、小選挙区の候補者と比例の政党を選びましょう」

「有権者の皆さん、10月22日は投票権を行使して、自分の意思を示しましょう。日本の将来の選択のため、選挙に行きましょう」

 

歴史的な意味を持つ衆議院総選挙が終わった今、日本の国民の多数は賢明な選択をしたと私は確信を持って言える。

冒頭に書いたように、総選挙の結果は、自民圧勝となった。自民党284議席、公明党29議席で与党が313議席を獲得した。総定数465議席のうち憲法改正の国会発議に必要な3分の2となる310議席を超えた。これに新設の希望の党の50議席、日本維新の会の11議席を加えると、いわゆる改憲勢力は374議席である。実に80.43%になる。

衆院で改憲勢力が8割というのは、戦後初めてのことである。自民党は、公約の中に初めて憲法改正を盛り込み、また「自衛隊の明記」を打ち出した。維新の会も「9条改正」を明示して憲法改正を主張した。希望の党は、憲法改正賛成を公認の条件とした。このように憲法改正を争点の一つとして行われた選挙は、今回が初めてである。また、そうした選挙において、改憲を提案する自民が圧勝し、改憲勢力が8割に上ったのである。このことの意義は、非常に大きい。ただし、改憲勢力といっても、思想や立場はさまざまである。現行憲法の最大の欠陥である国防の規制を、憲法改正の最優先かつ中心的な主題とするのでなければ、真の改憲派とは言えない。

 希望は公示前の議席を減らして完敗した一方、新設の立憲民主党が躍進し、約3倍増の55議席で野党第一党になった。共産党は12議席、社民が2議席で、護憲勢力は合わせて69議席である。このほかに諸派・無所属が22議席あり、その多くは野党系だが、個々の改憲・護憲は不明である。

 希望では、立候補した結党メンバー11人のうち当選したのは5人。小池氏の最側近の若狭勝氏は落選した。希望独自の候補者は98人中1人しか当選しなかった。民進党からの合流組み117人の立候補者のうち41人が当選した。その他の党から入党した候補者は9人中3人当選した。その結果、希望所属の新衆議院議員はほとんどが民進党系となり、小池氏は自ら立ち上げた政党を、民進党から受け入れた者たちに、事実上乗っ取られつつある。

 民進党の側では、今回の選挙で民進党の前議員87人のうち、希望から立候補した者は24人が当選し、立民からは15人、無所属は18人が当選した。不出馬が7人いた。民進党が、右の希望と左の立民に分かれた格好である。希望の党という台風の直撃によって民進党が3分裂し、民進系が改憲派・護憲派に大きく分かれたとも言える。ただし、希望にはもともとの小池氏の理念・信条とは違う者が相当数入り込んでいる。また本家の民進党は存続しており、党の代表や所属する参議院議員がいる。今後、同党がどういう方向に向かうかについては、消滅かさらなる分裂か再結集か、三つの可能性がある。その動向は、少なからず政局に影響する。

今回の選挙の結果は、安倍晋三政権が信任され、北朝鮮への圧力強化、消費増税の使途変更、アベノミクス、憲法改正などの政策が支持されたと見られる。私としては、概ね自公が3分の2を超え、改憲勢力が8割となったことに最も大きな意味を感じる。これを機に、戦後わが国の最大の課題である憲法の改正に向けた論議を、国会で積極的に進めてもらいたいと思う。

北朝鮮が核兵器やICBMを持つようになり、中国が米国に迫るほどに強大化している。日本はかつてなく厳しい国際環境に立たされている。今は、日本は米国によって中国の脅威から守られているが、21世紀に入ってから米国が衰退してきている。今後、米国が衰退し続け、中国がますます力を増していけば、日本は本当に危うくなる。

 日本人は滅びの道へ進みたくなければ、自ら自国を守るという意思を持ち、国を守るための努力をしなければならない。そのために、為すべき最大の課題が憲法の改正である。

新たに招集される国会で、日本の重要課題が真剣に議論され、憲法改正案が一日も早く国民に発議されることを期待したい。ページの頭へ

 

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